宇宙でのエビ養殖
2026-06-24 17:37:24

岡山理科大学が宇宙でのエビ養殖に挑戦した研究の成果と今後

岡山理科大学の宇宙養殖プロジェクト



岡山理科大学が取り組む「宇宙養殖プロジェクト」は、宇宙探査における食材供給を目的とした研究で、特に月や火星での養殖技術の確立を目指しています。このプロジェクトの一環として、微小重力環境下でのエビの食餌行動を研究した結果、初の論文が発表されました。

研究の背景


宇宙での食材供給は、宇宙飛行士のQOL(生活の質)の向上に寄与する重要な課題です。しかし、宇宙空間では成魚を運搬することが難しいため、稚魚や仔魚の状態で輸送する必要があります。このような小さな生物は外的な刺激に弱く、無重力環境でも餌をしっかりと摂ることができるかどうかは不明でした。これが今回の研究の動機です。

研究チームの構成


今回の研究は、生命科学部の山本俊政准教授、田所竜介准教授、好適環境水センターの津村誠一教授、フロンティア理工学研究所の牧祥教授など、専門の研究者たちによって行われました。実験では無重力状態を生成するために、さまざまな試みがなされました。従来の方法では限界があったため、独自に開発した「クリノスタット」を使用し、擬似無重力状態を実現しました。

クリノスタットの開発


「クリノスタット」は、2つの回転軸で物体を遠心回転させ、重力の影響を打ち消す装置ですが、魚のように姿勢を変える生物にはその効果が薄れることがわかりました。そのため、チームは高速回転する新型クリノスタットを製作し、実験を行う環境を整えました。この装置により、稚エビが餌を食べる様子を動画で撮影することに成功し、さらなる遺伝子解析も行いました。

宇宙養殖の実験と成果


実験ではエビとともに、成長が早いアルテミアを利用した補助実験も実施されました。これにより、エビが無重力環境の中でも餌を摂取することが確認され、宇宙養殖の可能性を広げる結果が得られました。これらの研究結果は、2026年6月に国際学術誌「Microgravity Science and Technology」に掲載される予定です。論文のタイトルは「In Situ Observation of Shrimp Feeding Process Under Microgravity Environment」です。

今後の展望


現在、岡山理科大学の研究チームは、国際宇宙ステーション(ISS)での養殖に適した水槽の開発を進めています。完全閉鎖式養殖システムの構築を目指し、100日間の養殖実験を行う計画です。また、自動給餌装置や個体の識別技術にAIを搭載することも視野に入れています。さらに、アルテミアの飼育実験や餌となるテトラセルミスの研究も行われており、チーム全体が宇宙養殖の実現に向けて努力を重ねています。

この研究は、宇宙における持続可能な食料供給の未来を切り開く一歩となることでしょう。岡山理科大学のチームがこの大きな夢を実現させるために、今後の進展に期待が高まります。

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