エンビプログループと荏原環境プラント,ケミカルリサイクル実証事業の始動
2050年のカーボンニュートラルの実現を目指す中で、エンビプログループと荏原環境プラントが連携し、ケミカルリサイクルの実証事業を開始した。両企業は、廃プラスチックなどの様々な廃棄物を対象にしたリサイクルプロセスの確立に向けて、原料の調達をエンビプログループが担当することで合意。これにより、リサイクル可能な油やガスの生成を実証し、プラスチック製品の製造原料としての利活用を探っていく。
実証事業の内容
荏原環境プラントは千葉県袖ケ浦市に実証プラントを設け、独自の「ICFG(R)内部循環流動床ガス化システム」を用いて、1日あたり約1トンの廃プラスチックを熱分解していく。このプロセスで得られる油やガスは、今後のプラスチック製造における重要な資源となることが期待されている。
エンビプログループが取り組むこの事業は、社会実装を目指すケミカルリサイクルの一環であり、廃プラスチックの調達と管理を通じて商用化への道を模索する。特に、マテリアルリサイクルが難しい廃プラスチックにフォーカスし、2030年までの実用化を目指している。
背景と課題
プラスチックは現代社会に欠かせない素材であるが、同時に環境問題や資源循環の課題も抱えている。2050年のカーボンニュートラルや海洋プラスチック問題の解決に向けて、マテリアル及びケミカルリサイクル技術の研究開発が急務とされている。このような背景から、ケミカルリサイクルに関する技術の進展が求められている。
今後の展望
本事業は2030年を見据えてケミカルリサイクルの社会実装を実現し、エンビプログループの企業価値を高める積極的な取り組みである。また、様々な企業や自治体との連携を強化し、環境問題解決に向けた取り組みを広げていく。
この実証事業は、「環境省令和5年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金」の対象としても選ばれており、具体的な成果が期待されている。廃プラスチックの資源循環技術の社会実装が進むことで、持続可能な未来への道筋を築く一助となるだろう。
企業概要
エンビプロ・ホールディングス
- - 所在地: 静岡県富士宮市田中町
- - 代表者: 佐野 富和
- - 設立: 2010年
- - URL: エンビプロ
荏原環境プラント株式会社
- - 所在地: 東京都大田区
- - 代表者: 山田 秀喜
- - 設立: 2006年
- - URL: 荏原環境プラント
このような新たな取り組みを通じて、プラスチックの資源循環がより一層進展することが期待されている。