むそうたかし写真展「ほとけの乙女」について
アイデムフォトギャラリー[シリウス]で、2024年10月17日から10月23日まで、むそうたかしによる写真展「ほとけの乙女 ミャンマーの仏塔・寺院と少女たち」が開催される。この展示では、仏教国ミャンマーの美しい仏塔と、そこで祈る少女たちの姿が切り取られている。
この写真展は、むそうたかしが体験したヴィパッサナー瞑想からはじまった。ある瞬間、太陽に照らされた仏塔を背景に少女が祈る光景を見つけ、それを写真に収めたいと強い思いを抱くようになった。彼はミャンマーを訪れ、仏教が息づく聖地で多くの家族や子どもたち、少女たちと出会った。
ミャンマーと仏塔の深い意義
ミャンマーにおける仏塔、すなわち「パヤー」は、単なる建物ではなく、ブッダを象徴する尊い存在である。国民の90%が仏教徒であるこの国では、仏塔は人々がブッダとつながりを持つ特別な場所だ。特に、少女たちにとっては、家や学校に次ぐ第3の居場所ともなっている。
むそうたかしは、この独特の文化を映し出すために、仏教建造物との撮影を行い、その中に日々生きる少女たちの姿を捉えた。彼の作品からは、彼女たちが持つ純真さと祈りの力強さが感じられ、温かな光が溢れている。
現状を映す写真展
しかし、撮影を終えた後、ミャンマーでは国軍によるクーデターが発生。彼が撮影した場所も炎に包まれ、多くの子供たちが犠牲となった。このような暴力の時代に突入した今、むそうたかしが捉えた世界は過去の産物となりつつある。
彼は美しい風景と魅力的な人々を映し出す一方で、その陰に潜む痛ましい現実を伝えることが重要だと感じている。今回の作品が人々に争いの本質について考えるきっかけとなることを願っている。
写真展の詳細
展示される作品は、カラー44点(予定)で、ミャンマーの仏塔、少女たちの祈り、そしてその背景にある文化を深く掘り下げている。これにより、観覧者はミャンマーの豊かな伝統と、無邪気な少女たちの姿を通じて、祈りの力に触れることができる。
また、アートに興味がある人々には、むそうたかしのこれまでの業績も注目してほしい。彼は株式会社むそう写真事務所を代表し、高い評価を受けている。2006年には写真文集「最重度・重複障害児かなこちゃんの暮らし」を発表し、2007年には写真新世紀佳作を受賞。2024年には本展示に基づく写真集も発表予定だ。
本展については、シリウスブログでも詳しく紹介されているので、ぜひチェックしてほしい。また、アイデムフォトギャラリーへの問い合わせは、公式ウェブサイトから行うことができる。
この貴重な機会に、ミャンマーの仏教文化と少女たちの美しい姿を堪能し、彼らの祈りがもたらす意味を理解しよう。