第73回小学館児童出版文化賞の受賞作品
2023年の小学館児童出版文化賞が、9月12日(木)に行われた最終選考会で発表されました。今年も優れた作品が選ばれ、その中から2作品が栄誉ある受賞を果たしました。
受賞作品一覧
『じゅげむの夏』
- - 著者: 最上一平
- - 出版社: 佼成出版社
- - 出版日: 2023年7月30日
この作品は、天神集落に住む4人の4年生の友達の夏休みを描いています。一見普通の子供たちの夏の冒険ですが、実はその仲間の一人であるかっちゃんが筋ジストロフィーを抱えているため、彼らの友情や生と死についての深い思索が織り込まれています。彼らがどのように「特別な存在」としてのかっちゃんと向き合い、共に過ごす日々を描くことで、命の大切さや友情の深さを鮮やかに表現しています。
この作品は、命の儚さやその中での成長を、心に残る優しいタッチで伝えています。
『ゆうやけにとけていく』
- - 著者: ザ・キャビンカンパニー
- - 出版社: 小学館
- - 出版日: 2023年7月18日
夕焼けを背景にしたシーンを描くこの絵本では、遊びに興じる子供たちや日常の一コマが各シーンで紡がれます。夕焼けが持つ温かな色合いが、それぞれの登場人物の心情をやさしく包み込み、誰にでも訪れる静かな夜の訪れを象徴しています。感情豊かな描写によって、読者は自分の生活や思い出を重ねやすく、この絵本の持つメッセージをより感じ取ることができます。
贈賞式について
贈賞式は2023年11月14日(木)に都内にて行われる予定で、正賞としてブロンズ像「わかば」が授与され、さらに副賞として100万円の賞金も授与されることが知られています。
審査と選考過程
今回の受賞作品は、2023年3月から2024年2月までに発表された作品が対象となっており、選考には著名な審査員たちが名を連ねています。最終選考には荒井良二、鈴木のりたけ、舘野鴻、富安陽子、森絵都の5名が参加し、数多くの作品の中から優れたものを選び出しました。これまでの推薦は業界内外から収集されたもので、審査に至るまでのプロセスもとても厳粛なものでした。
小学館児童出版文化賞について
この賞は、1952年に創設され、児童出版文化の向上に寄与する作品や作家に対して顕彰を行うものとして、毎年選ばれています。今後も未来の子どもたちに向けて、多くの優れた作品が世に出ることを期待しています。優れた児童文学の創造が、次世代にどう繋がっていくのか楽しみでもあります。
興味のある方は、是非とも受賞作を手に取って、心温まる物語を体験してみてください。公式サイトでも詳細が発表されているので、チェックしてみる価値があります。