ヤマシナが自動車部品の生産プロセスを革新
株式会社ヤマシナは、自動車部品、特に高精度ネジやボルトの製造における基幹システムを全面的に刷新しました。このプロジェクトはITサービス業のジェイ・ビー・シー・シー(JBCC)株式会社によって推進され、最新のアジャイル開発手法とローコード開発ツールGeneXusを駆使した超高速開発により実現されました。この刷新により、ヤマシナは生産工程の可視化や業務効率の向上を図り、さらなる技術革新を目指しています。
背景
ヤマシナは、創業から100年を超える歴史を持つ高精度ネジ・ボルトメーカーで、特に自動車産業において50%以上のシェアを誇ります。近年、自動車産業では軽量化が求められる中で、それに応じた新製品の開発と技術革新が急務となっている一方、従来の基幹システムは約15年前に導入されたパッケージシステムを基にしており、業務の変化に適応しにくい状況でした。さらに、M&Aによって新たに加わったグループ企業を含めたシステム展開も大きな課題でした。これらの理由から、基幹システムの早急な刷新が求められました。
新たな取り組み
ヤマシナのように、多品種・少量生産においては、それぞれの製造プロセスが異なるため、市販のパッケージを利用することは難しく、カスタマイズが必要です。JBCCは、ヤマシナの現場担当者と情報システム部門と密に連携しながら、アジャイル開発手法を取り入れた開発プロセスを進めました。これにより、5回の開発サイクルを通して機能精度が向上し、現場のニーズを反映した使いやすいシステムが実現しました。
新たに導入されたシステムでは、日報の手入力方式を廃止し、工程の進捗をリアルタイムで可視化できるようになりました。これにより、問題点を早期に発見し、迅速な対応が可能となりました。
内製化と持続可能な運営
プロジェクトの一環として、ヤマシナにおける内製化の支援も行われました。ヤマシナから選抜された3名の技術者が開発チームに参加し、アジャイル開発手法やローコード技術のノウハウを学ぶことで、社内での運用が可能となりました。この内製化により、現場部門から情報システム部門へのフィードバックが活性化し、継続的な改善を行う文化が醸成されています。
安定したIT基盤の確立
新基幹システムはクラウド上で運用され、JBCCの運用付きクラウドサービス「EcoOne」によって長期的に安定したIT環境が整備されました。このシステムにより、業務アプリの開発はより円滑になり、社内の技術者達は本来の業務に専念することができるようになります。
まとめ
ヤマシナの基幹システム刷新は、単に技術の向上にとどまらず、企業全体のデジタルトランスフォーメーションにも寄与しています。これにより、今後ますます複雑化する自動車部品産業においてヤマシナが持続的に競争力を維持できる基盤が整ったと言えるでしょう。これからの展開に期待が高まります。