大阪メトロが新たな視点を提供する「観る力」
大阪メトロで行われる新しい車内広告は、聴覚障害者が持つ独自の「強み」に焦点を当てています。一般社団法人Bridge Heartによるこの取り組みは、9月1日から30日までの間、大阪メトロの主要6路線で展開されます。
聴覚障害者の「観る力」
この広告キャンペーンのテーマは、音ではなく、非言語的なコミュニケーションに基づく「観る力」です。聴覚障害者の池田優里代表理事は、自身の体験を通じて、単なる視覚の力を超えた深い理解の力があることを知りました。相手の表情や口の動き、さらには空気感を読み取る感受性は、私たちが持つ力であり、多くの人が見過ごしているものです。
この「観る力」は、聴覚に制約されることなく、相手の気持ちを深く理解するための重要なスキルとなります。広告では「聞こえないからこそ、見える世界がある」というメッセージを発信し、聴覚障害者が持つ視点の豊かさを示しています。
特設ページを通じた更なる情報発信
車内広告に加え、特設ページも同時に公開しました。このページでは、個々の聴覚障害者のエピソードに加え、彼らの「観る力」がどのように彼らの世界を広げているかについて具体的に紹介しています。広告を目にした方々に、Bridge Heartの活動や聴覚障害者の気持ちをさらに知ってもらう目的を持っているのです。
広告は電車内だけでなく、オンラインでも展開され、より広範に聴覚障害者が自身の強みを活かせる社会の実現を訴えかけるものとなります。
Bridge Heartの活動
一般社団法人Bridge Heartは、聴覚障害のある方々とその家族が情報を得られるプラットフォームを運営し、社会との繋がりを支援しています。今回の「観る力」キャンペーンは、彼らが行っている様々な活動の一環であり、今後も講演会やイベントを通じて、聴覚障害に対する理解を深める活動を続けていく予定です。
掲出される広告は、聴覚障害者の新たな可能性を引き出し、皆とつながる力を伝えることを目的としています。これは単なる啓発活動に留まらず、社会全体が聴覚障害者の価値を再評価し、彼らが持つ力を尊重するための重要な第一歩でもあります。
おわりに
私たち一人ひとりが持つ「観る力」に気づき、聴覚障害者の方々が豊かに生活できる社会を共に築いていくために、今回の取り組みが大きな影響をもたらすことを願っています。広告の掲出期間は2025年の9月1日から30日まで。大阪メトロを利用する機会があれば、ぜひその目を留めてみてください。彼らの力強いメッセージに触れることで、新たな視点が得られるかもしれません。