成田空港が目指すリチウム電池の安全航送
成田国際空港株式会社は、国際航空輸送の重要性を認識し、リチウム電池を安全に輸送するための新たな取り組みを開始しました。これは、IATA(国際航空運送協会)が策定した「CEIV Lithium Batteries」認証の取得を目指すものです。2024年度末までに、成田空港で関与する関係事業者と共にこの認証を取得することを目指しています。
リチウム電池の需要増加とその背景
最近の電気自動車やプラグインハイブリッド車の普及は、リチウム電池の生産を増大させています。また、e-コマースの成長に伴い、リチウム電池を含む様々な製品の航空輸送が増える見込みです。しかし、リチウム電池は危険物に分類されるため、輸送の際には慎重な取り扱いが求められます。適切に輸送しない場合、深刻な事故を引き起こす可能性があるため、認証取得は非常に重要です。
CEIV Lithium Batteries認証とは
「CEIV Lithium Batteries」とは、IATAが管轄する特殊貨物の航空輸送に関連する品質認証制度の一部です。この認証を取得することで、各業者はリチウム電池を安全に取り扱うための体制が整っていることが証明されます。これにより、リチウム電池を扱う事業者から、航空輸送の安全性が保証されることになります。
特に、通信販売の盛況とともにリチウム電池輸送需要が高まっている現状では、安全な輸送体制を確立することが必要とされています。2021年に開始されたこの認証は、全世界で100社以上が取得しており、成田空港でもその流れに乗ることを目指します。
セーフティネットの強化と今後の展望
成田空港は、これを実現するために、IATAのガイドラインに基づいたトレーニングを受け、必要な品質管理やリスクマネジメントが整った体制を確立することを使命としています。また、各事業者が共同で取り組む「空港コミュニティ方式」を採用し、地域全体としてリチウム電池の輸送基準を高める新たな試みを行っています。
スケジュールと進捗
成田空港コミュニティの結成は2024年9月を予定しており、その後の2024年10月から2025年3月にかけて参加企業がトレーニングを受け、認証検査を受けるプロセスが設計されています。そして、2025年の3月には認証の取得を見込んでいます。
これまでに成田空港では医薬品に関するCEIV認証として「CEIV Pharma パートナーエアポート」の認定を受けた実績があります。今回のリチウム電池に関する取り組みは、さらに高い安全基準を設け、航空物流の中心としての役割を果たし続けることでしょう。成田空港は今後もコミュニティの協力を得ながら、航空輸送の安全性向上に尽力していく決意を示しています。