立命館大学とトミーテックが共同開発した鉄道模型用無線給電システム
鉄道模型の愛好者にとって、鮮やかな夜景運転は魅力的な体験の一つですが、従来の仕組みでは多くの配線が必要です。これを解消するために、立命館大学とトミーテックが共同で「レール周辺空間無線給電システム」を開発しました。この新しいシステムは、建物を無線で点灯させることで、鉄道模型の楽しみ方に革命をもたらすものです。
無線給電システムの背景
鉄道模型の世界では、実際の景色に近づけるために、車両の室内照明を自由に取り付けることが可能です。しかし、建物を光らせるには、LED照明を取り付けた各建物に対して複雑な配線が必要となります。この配線作業が参入の難しさの一因として挙げられています。
そこで、トミーテックは立命館大学の道関隆国特任教授との共同研究を通じて、この課題に取り組むことにしました。そして、新たに開発された無線給電システムは、煩わしい配線が不要となることを目指しています。「誰でも簡単に」夜景を楽しめる環境を実現することが、このシステムの中心的な目的です。
システムの仕組み
この無線給電システムでは、運行する車両が走行レールから直流電流を受けるため、電力が供給されます。一方、建物の点灯には、直流電流に影響を与えない高周波の電流を活用します。専用の送電装置がレールに高周波を流し、そこから発生する磁界を利用して周辺の建物に無線給電します。
具体的には、点灯する建物にLEDとコイルを組み込み、コイルが磁界内に置かれることで電流が発生し、LEDが点灯します。この方法では、電池や有線による電力供給が不要となり、建物をレールの近くに配置するだけで光をともすことが可能です。さらに、発生させる高周波は自動で最適化され、効率よく電力を供給することができます。
今後の展望
今回開発された無線給電システムには、鉄道模型だけでなく、バスや自動車といった他の小型模型の電力供給や点灯にも応用が可能であり、鉄道模型の遊び方を新たな次元に引き上げることが期待されています。製品化に向けた安全性の確認は今後の課題ですが、発売時期などの詳細はまだ決まっていません。
第63回全日本模型ホビーショー
この新システムは、2025年10月18日から19日にかけて開催される「第63回全日本模型ホビーショー」で参考展示される予定です。展示会は東京ビッグサイトで行われ、多くの愛好者が訪れることが予想されます。
- - 開催日程:2025年10月18日(土)9:30~17:30、19日(日)9:30~16:30
- - 会場:東京ビッグサイト [南3・4ホール]
東京都江東区有明3丁目11−1
特設サイト
この無線給電システムは、トミーテックの鉄道模型ブランド「トミックス」にとっても重要な一歩です。1976年に誕生した「トミックス」は、来年2026年に50周年を迎える予定で、今後もさらなる進化が楽しみです。
お問い合わせ先
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