三菱電機が目指すデータセンターの運用最適化
三菱電機株式会社は、グローバル・ブレイン株式会社と共同で運営しているコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)ファンド「MEイノベーションファンド」を通じて、米国のスタートアップLucendに出資しました。この投資は、データセンターの運用に関する第14号の案件となります。
データセンター運用の現状と課題
近年、生成AIの急速な普及により、デジタル化が進展しています。その影響で世界中でデータセンターへの設備投資が活発になっています。しかし、同時に運用側には環境負荷を低減し、設備の安定稼働を維持しつつ、事業競争力を保つための多くの課題が求められています。特に、電力や水資源の利用効率を高めることが、これからのデータセンター運営には不可欠です。
Lucendが提供する「Transparent AI」
Lucendが開発した「Transparent AI」というAIプラットフォームは、既存のセンサーから集めた3,000億件以上のデータを活用します。これにより、電力や水の利用状況、CO2排出量、設備の稼働状況といった重要な指標を総合的に解析し、データセンターの運用を可視化します。このプラットフォームは新たなハードウェアを必要とせず、既存の設備に接続するだけで利用できるため、日常の運用活動を妨げることなく、各設備の運用効率を向上させることが可能です。
さらに、チラーの温度異常やUPSの効率低下など、設備の不具合を早期に検知し、「ヒューマン・イン・ザ・ループ」のアプローチで改善策を提示します。この透明性の高い運用方法により、運用者はより良い判断を下せるようになります。
グローバルな展開と導入実績
「Transparent AI」は、メルボルンやシンガポール、パリ、ロンドン、アムステルダム、シカゴなど、世界各地の主要なデータセンターで複数の導入実績を持ち、その成果が評価されています。三菱電機はLucendとの連携により、グローバル市場でのデータセンター関連事業の競争力を強化し、運用効率化とコスト削減を目指します。
エキスパートのコメント
Lucendの共同創業者、Jasper de Vries氏とRené Gompel氏は、三菱電機とのパートナーシップを発表することに非常に喜んでおり、AIを使ったデータセンター運用の根本的な変革を目指していると述べています。三菱電機の持つ技術とグローバルなネットワークが、より速く事業の実現を促進すると期待されています。
三菱電機の上級執行役員である松原公実氏も、Lucendの技術がデータセンター運用コストを改善する可能性に期待を寄せています。両社の技術融合により、顧客への価値提供が向上し、データセンター事業全体の競争力を高めていく考えです。
まとめ
今回の出資により、三菱電機はLuсendのAIプラットフォームと自身の技術を掛け合わせることで、データセンターの運用効率化とコスト削減を実現し、さらなる社会の発展に寄与していく方針です。データセンターの未来に向けた一歩を踏み出したこの取り組みに、今後の展開が注目されます。