2026年秋のキャンプ場人気調査：ログハウスに寄せる期待

2026年秋のキャンプ場人気調査

株式会社ビックボックスが実施した「キャンプ宿泊施設に対する利用者と運営者の意識ギャップ」に関する調査結果が発表されました。2016年に設立40周年を迎えた同社が、全国の宿泊施設運営者や過去1年以内にキャンプ宿泊経験のある人々に向けて行ったこの調査は、キャンプ市場の動向と今後の展望を示す重要なものです。

アフターコロナのキャンプブーム

コロナ禍でのアウトドア人気の高まりが一段落した今、キャンプ施設に対するニーズは多様化しています。調査によると、利用者は“自然との一体感”と“快適性”を両立したキャンプ施設を求める声が強まっており、プライバシーや設備の充実も重視されています。

一方で、宿泊施設運営者は「予算の制約」「人手不足」「煩雑な手続き」といったさまざまな課題に直面しており、利用者の期待に応えるのが難しい状況です。今後、キャンプ宿泊施設の理想の姿とは何か、どのような改善が求められているのでしょうか。

利用者のキャンプ施設への期待

調査によれば、過去1年以内にキャンプを利用した方の多くがオートキャンプを好む傾向があります。特に「オートキャンプ場（区画サイト）」が47.6%で最も支持されており、その後に「オートキャンプ場（フリーサイト）」や「コテージ・バンガロー付きキャンプ場」が続きました。プライバシーの確保や清潔なトイレ、水場の近さが求められており、特に環境やマナーに対する不満の声も上がっています。

利用者が求める理想の宿泊施設

理想のキャンプ宿泊施設の特徴として最も多かったのは「自然との一体感が得られること（56.7%）」で、次いで「プライバシーの確保（33.9%）」や「冷暖房が完備され、快適性があること（32.2%）」が挙げられました。このことから、キャンプが単なるアウトドア体験にとどまらず、「快適性」や「プライベート空間」の確保が重視されていることがわかります。

宿泊者が泊まってみたい宿泊施設

実際、キャンプ宿泊で最も「泊まってみたい」と思う施設は「ログハウス（51.1%）」であることが分かりました。この結果から、木の温もりや快適さが人気を集めていることが伺えます。利用者の興味は「グランピングテント」や「コテージ」にも向いており、設備の充実した宿泊形態が求められています。

特に今年の秋には、「温泉の楽しめるキャンプ場（39.1%）」が最も人気で、「紅葉が美しい山間（37.0%）」や「湖畔で自然を楽しむキャンプ場（28.6%）」も支持されています。自然体験だけでなく、癒しや快適さを求める傾向が強まっていることが示されています。

宿泊施設運営者の意識

宿泊者の需要に対し、実際に宿泊施設の運営者たちも需要が高まっていると感じています。約80%の運営者がキャンプ場やコテージの需要増を実感しています。また、運営への関心も高まっている一方で、コストや手続き面での課題が明らかになりました。特に「維持・メンテナンスコスト」に関する悩みが多く、約55.3%の運営者がそれを大きな課題と捉えています。

新たな宿泊施設を導入する際には「建築コストの抑制」が重要視されており、約41.6%の運営者がこれを最優先事項に挙げています。このように、運営者はコストを抑えつつも、利用者に評価される体験を提供し続けることに努めているのです。

さらに、7割以上の運営者が「ログハウスやトレーラーハウス」などの導入について前向きな姿勢を示しています。このことから、ログハウスが利用者の期待に応え、同時に運営者の課題への解決策となる可能性が高いことが分かります。

まとめ

今回の調査を通じて、利用者はキャンプ宿泊の際に自然との一体感や快適性、非日常的な体験を求めていることが明らかとなりました。一方で運営者はコストや法規対応の課題に直面し、新たな導入時の効率性を重視しています。特にログハウスは、これらのニーズに合致しつつ、導入しやすい選択肢として注目されています。今後のキャンプ市場の拡大に期待が寄せられます。