新しいデジタル広告の形
近年、デジタルマーケティングの世界で大きな革新が進んでいます。その中でも、株式会社味香り戦略研究所は、食のデジタル広告配信に感性マーケティングデータを用いる新しい手法を発表しました。この取り組みは、伊藤忠商事株式会社とのコラボレーションによって実現され、株式会社データ・ワンに技術を提供することで進められています。
パーソナライズされた広告配信
このプロジェクトでは、「食のパーソナライズド・レコメンデーション機能」を活用し、消費者の味覚データをもとにした広告配信が行われています。実証実験の結果、嗜好性を基にした広告が新たなユーザー層の認知を拡大し、購買率を向上させることが確認されています。
味香り戦略研究所は、科学的に分析した個々の味の好みを診断し、それを利用してより適切な広告を提供しています。この結果、「co-buy® 味覚嗜好ターゲティング」という新しい広告サービスが登場しました。このサービスは、個々の消費者の潜在ニーズを可視化し、企業のマーケティング活動に大いに寄与しています。
実際の取り組み:サッポロ男梅サワー
最近、サッポロビール株式会社が提供する「サッポロ 男梅サワー」を対象にした広告配信が実施されました。具体的には、この商品の味わいを味覚センサーを用いて数値化し、そのデータを基にどのような味の嗜好を持つ消費者に向いているかを分析しました。
この分析の結果、「サッポロ 男梅サワー」は特定の嗜好性タイプ2群(計4タイプ)の消費者に向いていることが判明しました。さらに、その嗜好性に合った他の商品を洗い出し、それらを組み合わせた広告を配信することで、ターゲット層への訴求力を高めました。
結果的に、広告を閲覧した消費者の中で約3割が過去1年間に「サッポロ 男梅サワー」を購入していなかった新規ユーザーだったことが明らかになりました。また、従来の広告と比較して、クリック率や購買率も向上しています。
今後の展望
味香り戦略研究所は、今後も消費者の感性データを利用したマーケティング技術のさらなる発展に注力していく予定です。「コレスキ」と呼ばれる嗜好性診断ツールも併用し、消費者との直接的なコミュニケーションを図り、パーソナライズされた消費者体験を提供することを目指しています。
結論
味香り戦略研究所と伊藤忠商事、データ・ワンの取り組みは、デジタル広告の新たな可能性を示しています。消費者の味覚データを活用することは、マーケティング戦略の高度化に寄与し、市場のニーズに応えるための重要な手段となるでしょう。これからの展開に期待が高まります。