GMOペパボとDNPが実施するアート作品の二次創作促進実証実験

GMOペパボとDNPによるアート二次創作の未来

GMOペパボ株式会社と大日本印刷株式会社（以下、DNP）は、2025年7月31日に始まるアート作品の二次創作を促進するための実証実験を行うと発表しました。この取り組みでは、両社が協力し、デジタルコンテンツの信頼性を確保する「コンテンツクレデンシャル技術」を利用します。この技術は、アート作品の来歴や変更履歴を記録し、信頼性を向上させることを目的としています。

参加するサービスと人気クリエイター

本実証実験では、GMOペパボが提供するオリジナルグッズ作成販売サービス「SUZURI」と、DNPが提供する「イメージアーカイブ・ラボ」が協力します。特に、人気クリエイター「マーモット中毒」氏とのコラボレーショングッズが販売される予定です。これにより、実験における画像コンテンツの認証支援の有効性が検証されることになります。

コンテンツクレデンシャル技術が注目される背景

近年、国内外でのコンテンツIP（知的財産）市場が拡大している中、偽情報やフェイク画像の流通が増加し、コンテンツの真正性が問題視されています。このような現状を受けて、コンテンツホルダーやクリエイターが適正な報酬を得られる仕組みが求められるようになりました。GMOペパボとDNPは、この課題に対応すべく、デジタルコンテンツの信頼性向上に向けたアプローチを進めています。

国際的な取り組みとも関連

また、国際的な標準化団体「C2PA」や「CAI」が進めるコンテンツの真正性確保の取り組みにも呼応する形で、両社は対象市場のニーズに応えた実証実験に挑むことになりました。この実験を通じて、生成AIによるコンテンツの真偽を確認するサービスの開発や、クリエイターの作品がホワイトマーケットで流通するための基盤づくりが検討されます。

実証実験の経緯

GMOペパボとDNPは、2022年からブロックチェーン技術を使ったアート画像の二次創作促進実証実験を行ってきました。これにより、画像ライセンスや証明書の需要が高まっていることが確認され、DNPは2023年から正式なサービス「イメージアーカイブ・ラボ」を提供開始しました。今回の実証実験では、ライセンス提供された名画の画像と、マーモット中毒氏が二次創作した画像にクレデンシャル情報を埋め込み、インターネット上で確認できる仕組みを構築する予定です。

今後の展望

GMOペパボは、実証実験をきっかけに、イラストレーターやハンドメイド作家、3Dクリエイター、VTuberなど多様なクリエイターが安心して活動できる環境を整備することに努めます。一方、DNPもコンテンツの創作や流通を加速させることで、信頼できるコンテンツの享受が可能な世界を実現したいと考えています。2027年度には、デジタルコンテンツの真正性や報酬の還元をはじめとする流通支援のサービス環境を整えることを目指しています。

このように、両社の取り組みはクリエイターエコノミー市場の健全な発展に寄与することが期待されており、アート業界の未来に大きな影響を与えることでしょう。