クロス・マーケティングと明治大学が創出した「KAGAMI」
株式会社クロス・マーケティングは、明治大学商学部の加藤拓巳専任講師との共同研究によって、新しいサービス「KAGAMI」を開発しました。このサービスは、都市における緑と自然が居住意向に与える影響を科学的に検証することを目的としています。
KAGAMIの基本概念
「KAGAMI」という名前は、『鏡』を意味し、様々な都市の特性を反映させた観察を通じて、居住意向を考察する手段です。都市は巨大で再生が難しい製品であるため、その設計や改良には科学的根拠が求められます。しかし、これまでの都市設計に関する実験は限られていました。この問題を解決するために、KAGAMIは住民の視点から緑と自然がどのように居住意向を変化させるかを探求しています。
研究の手法
研究では、KAGAMIの「直交表」によって生成された9つの都市サンプルを用いています。この手法は、研究者の主観を排除し、回答者からのバイアスを最小限に抑えるために設計されています。参加者にはこれらのサンプルが提示され、居住意向の有無に関するデータが集められました。このプロセスにより、緑と自然がどの程度居住意向を持つ人々に影響を及ぼしているかを明確にしました。
KAGAMIの科学的背景
KAGAMIは、多数の科学論文に基づいて設計されています。これは過去のリサーチ結果を活用し、そのノウハウを都市設計に具体的に応用するもので、他のプロダクトデザインやコンセプト設計にも活用される可能性を秘めています。
研究によると、緑地を取り入れた都市設計は、住民の居住意向を高めるだけでなく、地域の雰囲気をも向上させる効果があることが確認されました。たとえば、居住空間周辺に緑があれば、住民はその場所での生活をより魅力的に感じるといいます。
KAGAMIの今後の展望
今後、KAGAMIは都市設計以外にも、お茶のパッケージデザインやPCのプロダクトデザインなどにも拡張する予定です。これまでの研究成果から、ラベルのないボトルデザインが消費者に高い魅力を持つことや、PCにおいてベゼルの幅がデザイン魅力にどう影響するかなど、具体的なデータを提供してきました。
参考文献
1. Kato, T., Endo, Y., Fujiwara, S., Zhu, Y., Umeyama, T., & Kamei, S. (2024). Balancing the environment and customer value: evaluation of the attractiveness of label-free plastic bottles for green tea.
Asia Pacific Journal of Marketing and Logistics, 36(6), 1429-1441.
DOI
2. Kato, T. et al. (2024). Product attractiveness created by thin-bezels in personal computers.
Proceedings of the 10th International Symposium on Affective Science and Engineering, 1-4.
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KAGAMIサービスの詳細
KAGAMIの詳細は
こちらから確認できます。
株式会社クロス・マーケティングは、このサービスを通じて、今後もマーケティングリサーチを深化させ、ニーズに合ったソリューションを提供していく方針です。