五味太郎さんの絵本『みんなのひつじさん』が、モンゴルの羊の毛質改善プロジェクトのきっかけとなったことをご存じでしょうか。この取り組みは、国際NGOであるADRAの手によって進められています。
この絵本は、ユーモラスなストーリーから始まり、言葉では捉えきれない羊の実際の姿と、その生態に触れることができます。物語の中では、羊がタクシーにぶつかる場面などが見られ、羊が思いのほかふわふわでないことを思い出させる展開が展開されます。実は、モンゴルでも羊の毛が硬く、問題が生じているのです。
かつてモンゴルの草原には、ふわふわした毛を持つ羊が多く存在しました。しかし近年、その毛質が悪化し、硬くて短い毛になってしまった羊が増えています。これにより、羊一頭から得られる毛の量が少なくなり、経済的な困難を招いています。草原の資源が食べ尽くされ、砂漠化が進むという悪循環にも繋がります。こうした問題を解決するため、ADRAはモンゴルの遊牧民を支援し、毛質改善プロジェクトを立ち上げました。
このプロジェクトでは、人工授精を通じてふわふわの毛を持つ羊を復活させることを目指しています。受精から子羊を育てるまでの一連の活動をADRAがサポートすることで、モンゴルの草原を守りつつ、遊牧民の生活を支える仕組みを構築しています。これにより、かつての豊かな草原を再生し、持続可能な環境を創ろうとしています。
現在、「ADRAひつじサポーター」の募集も行われており、月1500円のサポートを通じてプロジェクトへの支援が可能です。サポーターになった方には、絵本に関連した特別なアイテムもプレゼントされます。このプロジェクトの背後には、モンゴルの人々や多くの羊にとっての命の危機があることを考え、共感から支援の手を差し伸べてみるのも良いかもしれません。
ADRAのファシリテーターは、既にサポーターになった方々の声に耳を傾け、彼らがどのようにこの問題に驚き、関心を持ったのかを語られています。「五味さんの絵本が好きだからこのプロジェクトを知った。それがモンゴルの草原と人々、命と結びつくところに印象深さを感じた」という声もあり、絵本がもたらす影響力を感じさせてくれます。
皆さんもぜひ、五味太郎さんの絵本と共に、モンゴルの草原を再生するプロジェクトに参加してみませんか?
詳しい情報は、ADRAの公式ウェブサイトで確認できます。私たち一人ひとりが、小さな支援を通じて、大きな変化を生み出すことができるのです。ぜひご検討ください。