京都大学と積水ハウスが共同研究を発表子どもと住まいの関係を探る

京都大学と積水ハウスが共同研究を発表

2023年6月18日、京都大学吉田キャンパスにおいて、国立大学法人京都大学と積水ハウス株式会社の共同研究プロジェクトの成果を初めて公開する報告会が開催されました。このプロジェクトは、子どもの感性の発達に寄与する住環境の提案を目的としており、両者の専門知識と研究成果を活かしています。

共同研究の背景

積水ハウスは、住生活に関する長年の研究を通じて、子どもの生きる力を形成する「感性」「身体」「知性」「社会性」という4つの側面に注目しています。これに基づき、「子育ち＋子育て」という視点から家づくりを進めています。2024年度には京都大学と包括的な連携を結び、子どもの成長に関する新たな知見を創出することを目指しています。

研究チームとテーマ

このプロジェクトでは、京大オリジナル株式会社の協力を得て、教育心理学や社会学、情報学、認知科学といった多様な分野から10名以上の研究者が集結。研究の核心テーマは「住まいにおける子どもと家族間のコミュニケーションによるつながり」に決まり、今後の研究における基盤を形成しています。

報告会の内容

報告会では、これまでの研究テーマ探索および全国の家族を対象としたプレ調査の結果が発表されました。参加者は、プロジェクトの2年目以降の方向性とともに、京都大学と積水ハウスの研究者が家族と住まいの関係性に関する情報を共有しました。特に、家族のつながりが子どもの感性や幸福感にどのように影響を与えるかが議論されました。

パネルディスカッション

議論は、京都大学教育学研究科の髙橋雄介准教授による研究方針の説明や、積水ハウスの服部正子氏によるプレ調査の結果報告を受けて進行。パネルディスカッションには、京都大学の井上昂治助教、柴田悠教授、高田明教授、そして積水ハウスの河﨑由美子フェローが参加し、子どもと家族の幸せ、住まいの重要性について深く掘り下げました。

今後の研究計画

今後の共同研究では、「住まいにおける家族間の会話」について注目し、会話スタイルの分析を行い、それが子どもの幸福感や非認知能力に与える影響を究明します。また、家族の会話が生まれる自然な空間のエビデンスを構築し、住まいが家族の絆を育む「場」となることを目指します。この研究が進むことで、子どもたちの感性や社会性の発達へ寄与する新たな視点が生まれることが期待されています。