サントリーのOOH広告価値を可視化する実証実験がスタート
2024年10月から2025年7月までの期間、株式会社LIVE BOARD、NTTドコモ、電通アドギア、電通が連携し、サントリーホールディングスの出稿したアナログ交通・屋外広告(OOH)を対象に、広告価値の可視化を目指す実証実験を行います。デジタル交通・屋外広告(DOOH)の指標を応用して、従来のOOH広告の効果測定における課題を解決し、新たな広告指標の設計と実施をルール化していく試みです。
背景
近年、広告市場はデジタル化が進行中ですが、アナログ形式のOOHもなお高い市場シェアを誇っています。特に日本においては、OOHに関する効果測定の基準が定まっていないため、企業はその効果を把握しづらい状況です。このため、LIVE BOARD、ドコモ、電通アドギア、電通による共同プロジェクトが立ち上がりました。広告業界の共通インデックスを導入することで、OOHの測定指標を明確化し、より効率的なメディアプランニングを実現することを目指しています。
実証実験の概要
実験は、日本全国の900以上のOOH媒体及び180以上の鉄道路線にて行われます。この中で、DOOHのインプレッション、リーチ、フリークエンシーなどの指標を使用し、OOH広告の効果を測定します。具体的には、広告接触回数を計測し、視聴者の広告に対するイメージ形成や、その設置場所や掲出サイズなどの影響をデータで解析します。
アクチュアル計測
NTTドコモが保有する広範囲な会員基盤データを基に、インプレッション、リーチ、フリークエンシーの計測結果を算出します。これにより、サントリーのOOH広告の効果を定量的に分析し、新たな広告指標を構築することが可能になります。
インパクト計測
視聴者の視覚的印象や、広告の設置状況による印象の影響を定量的に測定します。新宿や渋谷といった主要都市での調査を行い、広告が視聴者に与える影響をスコアリングする方式で実施となります。調査は交通広告へのインパクトに関す情報収集と、媒体ごとのスコア評価を通じて行います。
実証実験の結果と今後の展望
この実証実験によって、OOH媒体への接触回数とそのインパクトを比較せよとして、また新たな測定基準を確立することが可能となります。日本で初めての試みとなり、OOH広告業界の透明性を向上させると期待されています。今後、交通広告の計測指標の信頼性を高めることで、広告主にとってより効率的なPDCAプランニングの実現を支援します。
企業の役割
LIVE BOARD
アナログ広告のデジタルネットワーク運営として、データの分析ノウハウの提供を担います。
NTTドコモ
保有する会員基盤データおよび統計情報を活用し、各種広告指標の算出に寄与します。
電通アドギア
OOH広告の効果測定に関するノウハウを提供し、サントリーのプランニングを支援します。
電通
広告全般に関するプランニングおよび効果測定を行います。
これらの役割分担により、各社が強みを発揮し合い、OOH広告の新たな価値形成が進められていくことになります。