第63回技能五輪全国大会での快挙
2023年10月、愛知県の国際展示場で開催された第63回技能五輪全国大会。ここで、キヤノンの豊満水葵選手と小室岳琉選手が「メカトロニクス」職種で銅メダルを獲得しました。この成果は、2005年以降21年間にわたる連続入賞を達成したことでもあり、キヤノンの技能育成への取り組みの賜物といえるでしょう。
スキルを競う「メカトロニクス」職種
メカトロニクス職種は、自動化装置の製作、メンテナンス、機能改善を行う技術競技です。選手たちは2日間の間に、当日公開される部品や図面をもとに装置を組み立て、調整や配線、配管を行います。その後、プログラムによる制御を実施。さらには、既存の装置に新たな部品を追加し、機能を一層向上させることが求められます。この競技では、技術力はもちろん、チームワークの重要性も強調されます。選手たちは2名1組のチームで作業し、互いに助け合い、コミュニケーションを取りながら目標達成を目指すのです。
技能者育成への情熱
キヤノンは、「人を育てることこそがものづくりの基本」という理念のもと、1959年に「技能研修所」を設立し、技術者の育成に力を注いできました。2016年に設立された「取手ものづくり研修所」では、さらに充実した研修環境を整え、次世代の技能者を育成するためのプログラムを構築しました。
今回の技能五輪全国大会では、キヤノングループから4つの職種に8名が出場し、銅メダル1件、敢闘賞2件を受賞しました。この結果を受けて、キヤノンは次世代を担うものづくり技能者の育成に今後も力を注ぎ続ける意義を再認識しています。
技能五輪全国大会の目的
技能五輪全国大会は、青年技能者(原則23歳以下)を対象にした全国規模の技能競技会で、1963年から毎年実施されています。大会は、若者にスキル向上の目標を提供し、技能の重要性を広く普及することを目的としています。今年度は全国から1025名もの参加者が42職種にわたり、互いに技術を競いました。このような大会は、技術者の成長とともに、技能尊重の風土を醸成するために重要な役割を果たしています。
今後の展望
次回の技能五輪国際大会は2026年に開催される予定です。今大会は、国際大会への道を開く重要な選考の場でもあります。キヤノンは、メカトロニクス職種の成果を次世代にしっかりと伝え、国内外における技能向上に貢献することで企業の責任を果たしていく所存です。
この成果を次回の技能大会や国際大会に活かし、さらなる技術革新と人材育成に取り組んでいくことで、ものづくりの未来を支えていくことが期待されます。キヤノンは不断の進化を続け、真のものづくりを追求していくことでしょう。