台湾・実踐大学が贈る新たなアート体験
春の訪れと共に、熊本県人吉市の築百年の木造駅舎「矢岳駅」で、台湾・実踐大学建築デザイン学科の学生と教員が手がけたアート作品が展示されます。この展示は、日台連携の地域づくりを目指すLOCAL TO LOCAL株式会社との共同プロジェクトであり、国際文化交流を促進する取り組みの一環です。
環境に溶け込むアート
展示されるアートは、単なる作品としての存在にとどまらず、熊本の自然や地域社会に寄り添った形で展開されています。特に注目すべきは、賴頫(ライ・フ)さんの作品《壁の空と間》。これは、矢岳駅前の桜の木々の間に設けられた繭のようなアートで、春になると花が咲き、観る者との対話を生み出します。作品に入ることで、山との距離を感じたり、風の動きを体感したりする機会が生まれ、地域との新たな繋がりを築く役割を果たしています。賴頫さんは、素材の中に空間の可能性を見出す能力に優れた実践大学の2年生であり、教員からも高く評価されています。
光のリズムが織りなすインスタレーション
もう一つの魅力的な作品、《光電獣#43-矢岳駅》は、姚仲涵(YAO Chung-Han)さんと大聲光電スタジオによって制作されました。この作品は、雨の日に屋根から落ちる水滴を元にしたインスタレーションで、柔らかな光が静かに流れる様子が描かれています。駅舎と周囲の風景に調和したこの作品は、夕暮れと共に温かい光に包まれ、訪れる人々に安らぎをもたらします。姚仲涵さんは実踐大学の建築デザイン学科主任でもあり、美術館での発表も行っている現代美術家です。
展示情報
展示は2025年3月16日から6月16日まで、矢岳駅で行われ、点灯時間は16:30から20:30です。この展示を通じて、台湾と日本の文化が交差し、地域の人々が新たな体験を得られることを期待しています。
協力・協賛
このプロジェクトは、実踐大学建築デザイン学科の実施に加え、地域連携支援にLOCAL TO LOCAL株式会社が協力し、熊本県人吉市が後援しています。また、特別協力として実踐大学国際事務室が参加し、大聲光電スタジオが協賛を行っています。展示期間中には、地域の皆さんが台湾のアートと出会う機会が多く、文化の交流が進むことが期待されます。
人吉市でのこの国際文化交流展示は、地域に新たな風を吹き込むとともに、台湾の若きアーティストたちによる魅力的な作品が人々の心に響くことでしょう。