大日本印刷が新たな養殖エサの水槽試験を開始
大日本印刷株式会社(以下、DNP)は、国立大学法人愛媛大学との共同研究に基づき、昆虫の一種であるミールワームを用いたマダイ用エサの実用性を確認するための水槽試験を開始しました。この試験は、2026年2月5日からスタートし、500リットルの水槽を8つ用いて、約20キログラムのミールワーム粉末を配合した飼料が使用されます。
この取り組みは、持続的な養殖業の発展を促進するために、食料供給の安定性を求めるものとなります。現状、養殖魚のエサは主に魚粉に依存しており、価格の高騰や供給リスクが深刻な問題となっています。特に、魚粉はカタクチイワシなどの天然資源から作られているため、その持続可能性について懸念が持たれています。DNPはこれらの課題解決に向けて、ミールワームを活用した新たなビジネスモデルを模索しています。
水槽試験の目的と内容
本試験の目的は、ミールワーム粉末の加工条件や養殖魚の健康や成長性を体系的に評価し、将来的な実用化に向けた基礎データを収集することです。具体的には、ミールワーム粉末を飼料全体の10%配合して、マダイのエサとしての適性を検証します。
さらに、DNPはフィード・ワン株式会社と連携し、水槽試験を実施します。フィード・ワンは、飼料業界で国内最大手のシェアを持ち、愛媛県にある研究施設での実験を通じて、ミールワームの成分がどのようにマダイの成長に寄与するかを検証します。
試験の主な評価項目には、マダイの成長速度、エサの摂取量、生存率、そして味や体の成分などが含まれています。また、魚体の健康状態やストレス指標、耐病性に関するデータも取得される予定です。これは、ミールワーム粉末が単に魚粉の代替品であるだけでなく、養殖魚の成長や耐病性を向上させる可能性があるという科学的裏付けを提供するものです。
今後の展開
DNPは、フィード・ワン、愛媛大学との連携を強化し、2026年4月まで水槽試験を本格的に進め、その後の加温試験や熱耐性試験を実施する計画です。最終的には、ミールワームの量産検証を通じて、2028年度に年間100トン、2030年度には年間1,200トンの生産を目指します。さらに、ミールワームの生産過程で得られるフラスやオイルの高付加価値化に取り組むことで、資源循環型の養殖モデルを構築していく所存です。
まとめ
DNPによるこの試験は、養殖業界における持続可能な未来に向けた重要なステップとなります。昆虫を利用することで、食料供給の安定化や新たな飼料原料の提供に貢献することが期待されます。今後の展開が非常に楽しみです。