新時代のプロジェクト管理を実現する『Kachitto』
2025年6月10日、株式会社Infigateが新たにリリースした要件定義自動化ツール『Kachitto(カチット)』のベータ版が話題になっています。このツールは、AIを活用してソフトウェア開発の初期段階における企画書作成や要件定義、非機能要求の整理を支援します。特に、「目的の言語化が難しい」、「要件がずれる」といったプロジェクト開始時によく見られる課題に対して、生成AIが対話形式で具体的な内容に仕上げることができます。
『Kachitto』の特長
『Kachitto』は多彩な機能を備えており、ユーザーが簡単にドキュメントを作成できるようサポートします。
ユーザーは質問に答えるだけで、プロジェクトの目的や背景、課題を整理することができます。実際には、約80%の内容が既に整った状態で始めることができるため、時間やコストを大幅に削減できるメリットがあります。さらに、画像データからドキュメントを生成する機能も含まれており、フローチャートやシーケンス図などのビジュアル化機能も搭載されています。
プロジェクトごとにメンバーを招待し、発注側・受注側が共通のドキュメントを管理できるため、コミュニケーションが円滑に行われます。内部メンバーだけでなく外部のメンバーも簡単に割り当てられ、役割が明確になっています。
作成したドキュメントの更新履歴をチェックしたり、旧バージョンの内容を確認することができ、リアルタイムでのチャット機能により、変更内容だけでなくその背景も容易に確認できます。
自身が作成した内容をさらにAIにレビューしてもらうことで、ドキュメントの質を向上させることが可能です。読む人にとってわかりやすく、網羅的かつ一貫性のあるものに仕上げることができます。
解決する課題とターゲットユーザー
DXの推進が進んでいる昨今、中小企業も例外ではありません。「やりたいことはあるが伝え方がわからない」、「開発側との打ち合わせが多すぎて進まない」といった問題は少なくありません。しかし『Kachitto』があれば、開発会社が曖昧な要望を受け取る際の工数を削減し、プロジェクトリスクを低減させることができます。ターゲットユーザーはIT・ソフトウェア開発企業や社内システムを開発する事業の担当者、プロジェクトマネージャー、さらにはDXを進めたい非IT企業やITコンサルタント企業まで多岐にわたります。
今後の展望と機能強化
現在、『Kachitto』はベータ版として提供されていますが、ユーザーからのフィードバックを元に正式版に向けた機能強化が進められています。今後は、要件定義やDB設計、見積もり等の各種ドキュメントの充実、外部ツールとの連携、権限の柔軟化や監査ログ機能の追加などが予定されています。
会社情報
株式会社Infigateは、ソフトウェア受託開発と自社プロダクトの開発・運用を行う企業で、技術力と柔軟な開発体制を活かし、企業のDX推進を支援しています。自社開発したAIによるヘアスタイル提案アプリ『AI Hair Genie』も話題となり、北海道のテレビにも取り上げられた実績があります。
『Kachitto』によって、プロジェクトの透明性が高まり、業務の効率化が進むことが期待されています。今後の公式版リリースに向けた動きが楽しみです。