銘東株式会社が全国初となる海上小口貨物の簡易通関許可を取得
銘東株式会社は2025年12月2日、大阪港に入港した海上小型貨物に対し、海上小口貨物の簡易通関制度に基づく全国第1号の輸入許可を取得しました。この制度は、特に越境ECの利用が急増する中で、通関手続きの簡素化を進める重要なステップとなります。
1. 簡易通関制度の導入背景
近年、越境ECの急激な発展に伴い、小口輸入貨物の取扱いが増加しています。この背景には、通販やフルフィルメントサービスの活用が進む一方で、申告の不備や違法物品の流入といった問題が浮上しています。これに対応する形で、財務省・税関は2025年10月に新たな通関制度を導入しました。これにより、海上輸送を通じた少額取引の円滑化が目指されているのです。
2. 成功のポイント
銘東は、大阪・南港を拠点に多数の越境EC貨物を取り扱っており、今回の簡易通関の試行にあたっては新制度に基づいた準備を行いました。具体的には、中国から大阪へ運ばれる海上小包に対して、進出したECプラットフォーム名や貨物情報を事前に紐付け、スムーズに通関を済ませました。また、検査時には自社設置のX線検査装置を使い、不正貨物の流入を防ぐ体制も整えています。
3. システム開発への取り組み
銘東は、通関業務とIT技術の融合を目指し、約2年かけてシステム開発を行いました。これには自社開発の通関サポートシステムがあり、申告データの自動生成や配送管理が含まれています。特に、越境ECに特化した拡張性あるシステムを開発することで、業務の効率化が図られています。最近の学術研究発表も踏まえたサプライチェーンの最適化を図り、実運用に即したシステムを立ち上げることに成功しました。
4. 今後の展開
銘東は、今回の試行を基にさらなる改善策を講じ、TEMUやAmazonなどの越境ECプラットフォーム向けに新たな輸送メニューを提案していく方針です。併せて、海上・航空の輸送手段を組み合わせたマルチモーダル輸送の導入を進め、コスト削減や環境負荷の軽減にも寄与する予定です。将来的には中小規模の輸出入業者に向けたシステムの提供も視野に入れています。
5. 代表取締役社長の見解
代表取締役の劉釗氏は、「越境ECにおいては、迅速で確実な商品供給が重要であり、これが競争力の源となる」と述べています。今回の許可取得は、海上輸送の利用を促進し、通関業務の大きな転換点をもたらすものと評価されています。これからも越境EC物流の高度化に向けた貢献を行っていくとのことです。
銘東株式会社は、国際物流の分野において確固たる地位を築いており、今後の展開にも大きな期待が寄せられています。日本国内の越境EC物流を支える存在として、さらなる成長を遂げてほしいものです。
銘東株式会社の基本情報
本社:大阪市北区
公式サイト:
https://www.metoh.jp
加えて、利用者や業界関係者へのさらなる情報提供を目指し、定期的に情報発信を行う予定です。今後の進展にぜひ注目したいところです。