ソール・スタインバーグの多彩な表現力を感じる展覧会
アメリカのアーティスト、ソール・スタインバーグ(1914-1999)の作品が、2021年12月10日から2022年3月12日の間、東京都中央区のギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)で開催されています。この展覧会は日本初の大規模な個展として、彼の多様な表現力を一堂に紹介しています。
スタインバーグとは?
スタインバーグは、ドローイングを「紙上で推論する方法」と捉え、アメリカの理想像と現実のギャップをユーモアと風刺で描きました。彼の作品には、古いものと新しいもの、優雅さと狂暴さなどの対比が見られ、その間に潜む見えない裂け目を鋭く伺わせます。彼は、目には見えない概念や構造を視覚化する挑戦を続け、見る側に現実の理不尽さを考えさせるよう促しました。
展覧会の内容
本展では、ニューヨークのソール・スタインバーグ財団から寄贈された62点のポスター、リトグラフ、エッチング、木版画など、さらに和田誠事務所からの寄贈および貸出分の7点、フランスのマーグ画廊からの作品集5冊、ドローイングを中心とした代表作の複製など、合計280点に及ぶ作品が展示されています。
展覧会の監修をしている矢萩喜從郎氏は、スタインバーグの作品を見ることで、初めは笑ってしまうけれども、すぐに戸惑いを覚え、思考が止まってしまうという独特な感覚を味わえると語っています。この感覚を観客自身が体験することこそが、本展の魅力の一つです。
スタインバーグの影響と遺産
スタインバーグは、「描く文筆家」「言葉と音の建築家」として評価され、多くの漫画家やイラストレーターに影響を与えました。特に日本の藤子不二雄や柳原良平、和田誠といった著名なアーティストたちも彼のスタイルからインスパイアを受けています。彼の作品は、美術館の壁にあるピカソの絵と同じくらいの存在感を持ち、アートの領域に新しい視点をもたらしました。
今展は、スタインバーグの作品を通じて、観客がどのように現実を認識し直し、新たな視点を得ることができるかを探る良い機会です。アートに興味のある方はぜひ訪れて、その独自の世界観に触れてみてください。
実施概要
- - 会期: 2021年12月10日(金)~2022年3月12日(土)
- - 会場: ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)
- - 住所: 東京都中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル
- - 開館時間: 11:00〜19:00
- - 休館日: 日曜・祝日
- - 協力: ソール・スタインバーグ財団、マーグ画廊、和田誠事務所
- - 監修: 矢萩喜從郎
アートの力を再認識できる貴重な展覧会。スタインバーグの作品を通じて、彼のユニークな視点がもたらす深い洞察を体験してみませんか?