KPMGコンサルティングが発表した「人事の未来」レポートの概要
KPMGコンサルティング株式会社は、今後の日本企業の人事部門における重要なトレンドと課題、さらには企業価値向上のために必要な「ウェルビーイングの実現」について解説したレポート「Future of HR(人事の未来) 2024-25」を公表しました。このレポートは、企業が直面する多様な問題に対応すべく、人材をどのように活用し、価値を高めていくかに焦点を当てています。
人的資本経営の広まり
近年、人材の価値向上は企業価値の向上に直結するという考え方が浸透しています。この「人的資本経営」の実践において、多くの企業が法定情報開示を行う中、経営戦略と人事戦略の連携は十分とは言えない状況です。企業が今後持続的に成長するためには、人的資本を重視し、従業員一人ひとりのウェルビーイングを高める投資が必要です。ウェルビーイングを向上させることで従業員の能動的な取り組みや能力発揮が促進され、最終的に企業価値の向上が期待できます。
調査結果の分析
今回のレポートでは、国内の111社を対象にした調査から、新たな人事トレンドや課題、さらには企業価値向上に向けたウェルビーイングのあり方がまとめられています。人事部門が捉えるべきウェルビーイングは、「心身」「仕事」「組織貢献」の3つの領域において定義されており、人事部門が攻めるべき具体的なミッションが提案されています。
経営層と人事部門の連携
調査によると、60%以上の企業が経営層と連携した改革を検討している一方で、経営戦略と人事戦略の連動については進展が乏しいことが明らかになっています。連携が「大幅に進んでいる」「かなり進んでいる」と回答した企業は約20%に過ぎず、双方の連携を強化することが求められています。
ウェルビーイング向上への取り組み
レポートによると、約75%の企業がウェルビーイング向上に取り組んでおり、近い将来に導入予定の企業を含めると、95%に及びます。特に期待される効果としては「従業員エンゲージメントの向上」が挙げられ、厳しい人材獲得競争の中でリテンションを図るために、企業がウェルビーイング向上に注力しています。
人事部門が担うべき役割
人事部門に課せられるミッションは、「仕事のウェルビーイングを高め、個の力を最大化する」ことと、「組織貢献のウェルビーイングを高め、求心力を最大化する」ことです。具体的な取り組みとしては、リスキリングの推進や企業理念の見直しによる組織の存在意義の明確化が求められています。
未来の組織成長
レポートでは、「パスファインダー企業」として、人的側面から企業価値の向上を支えられる人事機能を持つ企業を定義し、以前のレポートで紹介された花王と明治ホールディングスの取り組みも触れられています。これらの企業の事例を通して、今後の人事戦略がどのように進化していくのか、注目が集まります。
より詳しい情報を
本レポートの詳細は、以下のリンクからダウンロードが可能です。
Future of HR 2024-25 レポート
KPMGコンサルティングについて
KPMGコンサルティングは、グローバルに展開するメンバーファームとして、ビジネス変革やテクノロジー分野で企業を支援する専門家集団です。幅広い業界にわたるコンサルティングサービスを提供し、企業の戦略や人事マネジメント、デジタルトランスフォーメーションを推進しています。どうぞご期待ください。