二礼樹の衝撃デビュー作『リストランテ・ヴァンピーリ』
2023年3月19日に刊行された二礼樹のデビュー作『リストランテ・ヴァンピーリ』が、早くも三刷に達しました。これは、今年の新潮ミステリー大賞の最高密度のヴァンパイア・ミステリーとして称賛され、ただの一か月という短期間で実現した快挙です。道尾秀介、湊かなえ、貴志祐介など著名な作家からの賛辞が飛び交っています。
この作品は第11回新潮ミステリー大賞の受賞作でもあり、172篇の応募作の中から選ばれた逸材です。特に最終候補作を決定する予備選考では、満場一致でのトップ通過を果たし、その後も圧倒的な支持を受け選考を勝ち取りました。ダークな世界観と魅力的なキャラクターに、SNS上では「世界観が好みすぎて刺さりまくり」「圧倒的に推せる」といったコメントが寄せられ、読者の心をつかむに至りました。
作品の魅力と選考過程
『リストランテ・ヴァンピーリ』は、食材として冷凍されていた男が生き返り、主人公が巻き込まれる衝撃的なストーリーが展開されます。解体師のオズヴァルドや殺し屋エヴェリスなど、個性的なキャラクターたちが登場するこの物語は、圧倒的な筆力と独自の魅力を持っています。
選考委員たちからも高い評価を受け、貴志氏は「完成度が一頭地を抜いていた」とその華やかさを称賛し、湊氏は「印象深いセリフと独特な世界観に浸った」とコメントしました。道尾氏からは「目に見えない感情や空気の描写が素晴らしい」と絶賛され、過去の作品においても最高に面白いと記者しています。
選考委員が祝福する理由
選考の過程では、多くの著名な作家が参加しており、特に二礼樹の作品はその独創性と筆力において際立っていました。選考委員たちのコメントによると、彼の作品は新進気鋭の作家としての可能性を感じさせ、一瞬で読者を物語の中に引き込む力を持っています。特に道尾氏は、作品の中に見える「文章世界」に感銘を受けたとし、彼のビジョンが幅広い読者に影響を与えると期待を寄せています。
二礼樹の成り立ちと影響
二礼樹は1997年、宮城県に生まれ、法政大学卒業後に不同ジャンルの活動を経て小説家としての道を歩み始めました。心の葛藤や社会からの疎外感を抱えながらも、ロックバンドでの活動がきっかけで小説執筆に取り組むようになったといいます。その背景が、彼の作品に込められた情熱や独自性に直接的な影響を与えているのです。
彼は作家としてデビューする際、音楽の持つ「速さ」や「かっこ良さ」が魅力的であると感じ、その感覚を文字に変換することで表現しようとしました。実際、作品執筆時の期間は約10ヶ月、20稿を超える試行錯誤を経てようやく形にしたものです。その過程では、ロックと同様にエネルギーを表現することに拘り、素早く直感的な展開を心がけました。
今後への期待
若干27歳にしての偉業。二礼樹の『リストランテ・ヴァンピーリ』には、彼自身の人生観や生き様が色濃く反映されており、多くの読者にとって心の支えや共鳴するメッセージを届けています。彼の今後の活動にも大きな期待が寄せられ、次回作がどのような作品になるのか、ますます目が離せません。読者にとって、彼の作品が記憶に残る瞬間になること間違いありません。
あらすじ
物語は、食材として冷凍された男が生き返り、主人公が運命に翻弄される様を描いています。解体師オズヴァルド、金髪のルカ、元王女のエヴェリスらが闇を駆け巡る中、次々と展開される緊張感満載のサスペンスが待っています。是非、驚異の筆力で織りなされるその世界を体感してください。
著者情報
著者の二礼樹(にれ・いつき)は1997年生まれで、東京都在住。法政大学卒業後、様々な職を経て作家としてデビューしました。今後の作品にもぜひ注目です。