小学生の栽培学習が育むものとは
2023年6月、菅公学生服株式会社が行った調査に基づくレポート「カンコーホームルーム」Vol.246が発表され、小学生の栽培学習の現状とその教育的意義が明らかになりました。本調査は全国の556名の小学校教員を対象に行われ、栽培学習を通じて子どもたちが身につける力や直面する課題について詳しく分析されています。
栽培学習で育つ感覚
調査結果によれば、約70.7%の教員が、栽培学習を通じて児童の「命や自然を大切にする心」が育まれていると実感していることがわかりました。また、65.8%の教員が「小さな変化や成長に気づく観察力」を身につけたと答えており、59.4%は「毎日忘れずに世話をする責任感」を、57.2%は「開花や収穫の喜びから得る達成感」を感じているとのこと。
このように、栽培学習は命の大切さや生命に対する尊厳を学ぶ貴重な機会となっており、豊かな情操教育にも寄与しています。
どの植物を育てているのか?
教師たちが主に栽培している植物は「朝顔」(29.8%)や「ミニトマト」(18.5%)、そして「トマト」(8.5%)など、観察しやすい植物が多く選ばれている傾向があります。これらは成長過程を夏休み中に観察しやすいため、児童たちが植物の成長を実感しやすい教材として長年にわたり利用されています。
課題に直面する教員たち
一方で、調査を通じて浮かび上がったのは、栽培学習における課題です。特に、52.3%の教員が「長期休み中の毎日の水やりや観察の負担」を挙げており、このことが教師や家庭に大きな負担となっています。また、36.9%は「天候や日当たりによる生育のばらつき、枯れ」という自然の影響も課題に感じているようです。
さらに、31.5%は学校と家庭間で持ち帰る際の荷物が重いと感じ、14.7%は教材費用が保護者に負担となっていること、14.6%は家庭で育てるスペースがないといった実態も明らかになったのです。
未来の栽培学習に向けて
栽培学習は、今もなお命の大切さや責任感、観察力を育む重要な教育活動として位置づけられています。しかし、現代の厳しい環境や生活スタイルの変化に伴い、そのあり方を見直す必要が求められています。教員や家庭が抱える負担を軽減し、子どもたちがさまざまな植物の成長を楽しみながら、自然への理解を深めていくための新しいアプローチが必要です。
まとめ
小学生の栽培学習には、命や自然への感謝の念を育む意義がありますが、同時に課題も少なくありません。今後、教育現場での工夫や家庭との連携を通じて、より多くの児童がこの貴重な学びの経験を享受できることが期待されます。
この調査結果をもとに、教員や関係者は新たな視点から栽培学習を見直すことが求められているといえるでしょう。