製造業の69.2%がカーボンニュートラルを推進、課題はデータ管理

製造業のカーボンニュートラル実態調査

ウイングアーク1st株式会社が、製造業におけるカーボンニュートラルの取り組み状況を調査した結果、実に69.2%の企業が何らかの形でカーボンニュートラルに取り組んでいることが明らかになりました。この調査は、売上200億円以上の製造業に従事する315名を対象に行われ、現在進行中の取り組みや課題についての詳細なデータが収集されました。

調査結果によると、カーボンニュートラルへの取り組みで明確な目標を設定している企業は82.6%に上り、また79.2%の企業がデータの収集や集計に関して何らかの課題を感じていることがわかりました。特に「必要な集計データの分散・散在」がその中でも56.2%を占め、データの整理方法に苦労している現状が浮き彫りになっています。これまで膨大なデータがシステム化されずにサイロ化された状態のまま、適切に管理されていないことが、事業の効率化にとって大きな負担となっているのです。

さらに、カーボンニュートラルへの取り組みの一環として、63.2%の企業が具体的な予算を確保しているとのことですが、約60%が今後の予算を増やす方針を持っているという点にも注目が集まります。この背景には、主要取引先からのカーボンニュートラルに関する要求が高まっていることが影響しています。サプライチェーンにおける取引機会の選別は、今後ますます厳しくなりそうです。

課題と展望

調査によるデータ収集に対する課題の中で、多くの企業が「システム投資のコスト負担が大きい」ことを挙げています。このように、カーボンニュートラルの推進が進まない原因には、具体的な数値目標が欠如している場合が多く、取り組みが一部の部署に限定されていることも影響しています。したがって、多くの製造業者が今後のカーボンニュートラル推進におけるデータ収集や集計の効率化が急務であると認識していることが明らかとなっています。

一方、カーボンニュートラルへの努力が不可欠であるという意識は浸透しており、総じて製造業界が環境課題に真剣に向き合う姿勢が伺えます。これからの10年において、カーボンニュートラルが進まない企業は、取引機会の減少や環境規制に伴うコスト負担が増大することが予想されています。このため、カーボンニュートラルを実現する手段として、既存システムとの連携を強化し、データ統合を進めることが鍵となります。

ウイングアークでは、企業が直面するカーボンニュートラルの課題を解決するために、「Dataring」サービスを通じてデータの蓄積と分析の効率化を目指しています。収集された環境データを元に分析・改善を支援し、製造業全体のCO2排出削減に貢献することが今後の大きなテーマになるでしょう。

このように、製造業におけるカーボンニュートラルは進んでおりつつも、多くの課題を抱えている現実があります。今後も企業各社は、持続可能な社会を実現するための取り組みを加速させていく必要があるでしょう。