加齢によるゆがみ毛とその対策
近年、髪の悩みを抱える方が増える中、特に加齢に伴うゆがみ毛の問題が注目されています。髪の仕上がりが気まぐれになり、自分の思い通りにならないことに困っている方々に新たな希望となる成分が登場しました。クラシエ株式会社のホームプロダクツカンパニーが開発した「ジラウラミドグルタミドリシンNa」です。
ゆがみ毛の実態
加齢によるゆがみ毛とは、年齢が増すことにより髪の弾性や特性が変化し、うねりやくせが目立つ髪のことを指します。クラシエの研究によると、こうした毛髪の特性が変化するのは、毛髪内部のタンパク質における化学結合が変性するため。この研究で、特に注目されたのがイオン結合とジスルフィド結合の減少です。
物理特性の変化
クラシエでは、ゆがみ毛の物理特性を評価するため、35歳から44歳の女性5名を対象に動的粘弾性測定を実施しました。その結果、2014年に比べて2024年に採取したゆがみ毛の弾性および粘性が著しく低下していることが確認されました。つまり、加齢によって体幹が弱くなり、髪が気まぐれになっているのです。この変化は髪が思うようにまとまらない大きな要因となっています。
タンパク質の結合への影響
さらに、研究では髪の主要成分となるタンパク質の変化も調査しました。加齢によってイオン結合が減少し、髪の弾力性が損なわれていることが明らかとなりました。特に、カルボニル化やシステイン酸の増加といった現象が見られ、これらが髪の健康に影響を与えていると考えられます。
ジラウラミドグルタミドリシンNaの持つ力
さて、こうした課題に対してクラシエは「ジラウラミドグルタミドリシンNa」を発見しました。この成分は毛髪内部の架橋密度を向上させる効果があり、髪の物理特性を改善します。具体的には、高圧示差走査熱量測定を実施した結果、ゆがみ毛の変性温度が有意に高くなることが確認され、髪質の改善が期待できることが示されました。さらに、毛髪の破断強度も向上し、強い髪へと導く効果があることが明らかになりました。
まとめ
- - 加齢により、ゆがみ毛は体幹が弱くなり気まぐれ髪に変化します。
- - 年齢を重ねたゆがみ毛では、髪を形づくるタンパク質のイオン結合やジスルフィド結合が切れ、髪の体幹が弱くなることがわかりました。
- - 新成分「ジラウラミドグルタミドリシンNa」は、こうしたゆがみ毛の内部の架橋密度を向上させる効果があり、美しい髪に導く可能性があります。
この研究成果は、2025年秋に発売されるヘアケア製品への応用が予定されており、多くの方々にとって新たな解決策となるでしょう。髪の悩みを抱えた方々に、少しでも希望を与えることができればと思います。