山口県長門市でのAIオンデマンド交通運行アプリ導入
SWAT Mobility Japan株式会社が、山口県長門市においてAIオンデマンド交通運行アプリ「のろっちゃAI」を提供することを発表しました。実施期間は2024年10月28日から2025年1月31日までの予定で、この取り組みは地域の公共交通の課題解決に向けた重要なステップとなります。
背景にある地域課題
長門市は、過去10年間で人口が15.2%も減少し、高齢化率は44.1%に達しています。この結果として、地域の公共交通機関の利用者も大きく減少しました。例えば、市内の路線バスの利用者は、過去5年間で約52,700人(18%)も減少しました。これに伴い、現行のデマンド交通サービスは運行便数が少なく、予約締切のルールから実際の利用者数も1日にわずか1人から4人程度にとどまっています。このような状況を改善するためには、デマンド交通サービスの利便性を高める必要がまさに急務です。
AIオンデマンド交通「のろっちゃAI」の詳細
今回導入される「のろっちゃAI」は、長門市内で運行されている路線バスや、ブルーライン市内循環線、既存のデマンド交通の利用データを基にデータ分析を行っています。AI技術を活用することで、利用者は予約から数分の待ち時間で交通手段を確保できるメリットがあります。これにより、路線バスが廃止される場合でも、利用者をオンデマンド交通にシフトさせることが期待されています。
また、電話予約による既存のデマンド交通に最先端のAIとルーティング・アルゴリズムを統合し、ドア to ドアの送迎サービスを提供します。ゼンリン社の到着地点情報を活用することで、病院やモールなど特定の施設への送り迎えがスムーズに行える新システムが実現しました。これによってドライバーの運行負担も軽減されることが見込まれています。
運行スケジュール
「のろっちゃAI」は以下のような運行便で行われます:
- 1便:8:00
- 2便:9:00
- 3便:11:00
- 4便:13:30
- 1便:12:00
- 2便:14:30
- 3便:16:00
また、予約可能なエリアについては専用マップを参照することができ、乗降場所は2,439箇所に及びます。利用方法はアプリ「のろっちゃAI」または電話予約(7:00〜19:00)から行えます。料金は市街地内の片道が300円(小学生以下100円)、市街地-青海島間の片道が600円(小学生以下200円)と設定されています。
SWAT Mobilityについて
SWAT Mobilityは、人や物の移動に関連する様々な課題を解決することを目指しており、最先端のオンデマンド交通運行システムや物流の最適化システムを提供しています。特に、世界トップクラスのルーティング・アルゴリズムによるサービスは注目を集めており、これによって「Empowering the world to move more with less」というビジョンを実現しようとしています。
この取り組みを通じて、長門市の交通状況が改善され、多くの市民がより快適で便利な公共交通を利用できる日が待たれます。