大谷大学が大阪・関西万博インド館に寄与
大谷大学が、大阪・関西万博でのインド館「バーラト」において重要な役割を果たしました。特に、仏教に関する展示が行われ、その中で「悟りの樹」(菩提樹)が大きな特徴として登場します。この展示は、ブッダが菩提樹の下で得た悟りを通じて、インドからアジア各国へと広がった仏教の智慧と慈悲のメッセージを強調しています。
展示内容は、菩提樹の下でのブッダの悟りを象徴しており、仏教がアジア各国でどのように広まっていったのかを描写しています。特に、古代のパーリ語で記された仏典の多様性に焦点が当たり、様々な言語によって記録された仏教の金言が展示されます。
インド政府との連携
この特別な展示は、インド政府からの依頼に基づいており、大谷大学の「真宗総合研究所」が協力しています。具体的には、同大学が所蔵する貝葉写本(パーリ語で記された経典)の画像データを提供。研究代表者であるダシュ・ショバ・ラニ教授が中心となり、貴重な資料を活用して、展示を構成しました。
大谷大学は、日本国内で最大級のパーリ語貝葉写本群を所蔵しており、その歴史的な価値から研究者の注目を集めています。これらの写本には、タイ王室から寄贈されたものも含まれており、学術的な保存や整理が求められています。
仏教写本研究の展望
「仏教写本研究」は、貝葉写本の研究および公開を通じて、仏教に関する知識の普及を目指しています。研究では、ローマ字転写や校訂本、翻訳テキストの作成を行い、資料の学術的な利用価値を高めることを目的としています。また、2024年にはパーリ語が古典言語としてインド政府に認定されることが期待されており、これにより大谷大学の写本はさらなる重要性を持つこととなるでしょう。
展示は、インド館エントランスで行われ、来館者は「悟りの樹」の展示を通じて仏教の深い教えに触れることができます。パーリ語での表記の他にも、日本語や英語での表現があり、非常に多層的な文化的体験が提供されています。
大阪・関西万博は、さまざまな文化や知恵を共有する機会となっており、大谷大学の取り組みはその中でも特に意義のあるものと言えるでしょう。今後も、文化交流と学術研究を通じて、仏教の価値が広まっていくことを期待しています。