TISと東和薬品が導入した「ヘルスケアパスポート」の意義と効果

TISと東和薬品が導入した「ヘルスケアパスポート」の意義と効果



最近、TIS株式会社と東和薬品株式会社が共同で導入した「ヘルスケアパスポート」が、千葉県佐倉市にある東邦大学医療センター佐倉病院で注目を集めています。このサービスは、外来がん化学療法を受ける患者にとって、副作用症状を無理なく報告できる画期的なツールとなっています。

ヘルスケアパスポートの概要


「ヘルスケアパスポート」は生活者の健康・医療情報を医療従事者や家族と共有するためのPHR(個人健康記録)基盤サービスです。このシステムによって、患者は自宅での服薬状況や体調の変化を、簡単に医療従事者に報告することが可能になります。これにより、薬剤師はスムーズに患者の健康状態を把握し、より良いケアを提供できるようになります。

背景と必要性


近年のがん治療では、抗がん剤が在宅や外来へとシフトしてきています。複数の飲み薬を服用する患者も多く、服用スケジュールの管理が難しい中で、薬局と病院が連携(薬薬連携)をしっかりと行うことが重要です。特に、患者の副作用症状を把握することは、適切な治療を提供するために不可欠です。

患者の負担軽減


従来、薬局薬剤師は患者に電話で症状を聞き取り、情報を収集していましたが、この方法では情報が断片的で、適切なタイミングでのフォローも難しいという課題がありました。そこで、「ヘルスケアパスポート」がその解決策として提案されました。患者は自分の体調を報告しやすく、医療従事者も情報を一元的に把握することが可能になりました。

選定理由と導入効果


「ヘルスケアパスポート」は、単なる報告ツールではありません。柔軟にカスタマイズ可能な点、プラットフォーム型で情報を医療従事者間で共有できる点、そしてチャット形式ではないため双方の負担が軽減される点が高く評価されました。これにより、患者の声をより正確に把握することができ、医療従事者が効果的なサポートを行いやすくなりました。

実際の効果


2022年の後半より、導入を進めた結果、早くも約50人が利用したとのこと。患者からは「入力が簡単で続けやすい」という声が上がり、薬局からの適切なフォローによって「安心して治療に臨めた」とのフィードバックも寄せられています。特に、副作用症状を報告した際に迅速なアドバイスをもらえたことで、安心感が増したという意見が多かったとのことです。

医療連携の強化


佐倉病院の薬剤部の平井成和氏は、「病院薬剤師と薬局薬剤師の距離が縮まり、薬薬連携がスムーズになった」と述べています。地域包括ケアシステムが重要視される中、各プレイヤーが安全なプラットフォームで情報を共有し、その役割をより発揮できることが求められています。今後もこの取り組みが、患者の健康管理や地域医療の向上に大いに寄与することでしょう。

「ヘルスケアパスポート」は、まさに地域医療の未来を切り開くサービスとして期待されています。TISと東和薬品のパートナーシップは、さらなるケアの充実と共に、地域のヘルスケアリテラシー向上に貢献することが注目されているのです。今後の展開が大いに楽しみです。

会社情報

会社名
TIS株式会社
住所
東京都新宿区西新宿8-17-1住友不動産新宿グランドタワー
電話番号
050-1702-4071

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