大阪大学発ベンチャーが挑む箱根駅伝
大阪大学発のスタートアップ企業、株式会社イムノセンスが、スポーツテック企業の株式会社ユーフォリアと連携し、2025年の箱根駅伝に挑む関東学生連合チームの選手2名を支援する取り組みを発表しました。イムノセンスは、独自技術「GLEIA」を駆使し、学生ランナーのコンディショニングをリアルタイムでサポートしています。
箱根駅伝は日本の冬の風物詩とも言える非常に重要なイベントであり、多くの大学が参加し、その名誉をかけて競い合います。選ばれた選手が「たすき」をつなぎ、大変な山道を走り抜ける姿は、多くの人々に感動を与えます。そんな大舞台でのパフォーマンスを最大限に引き出すため、イムノセンスとユーフォリアが協力し、先端技術を活用したコンディショニング支援を行うのです。
GLEIAによる疲労度の見える化
イムノセンスが開発したGLEIA(グライア)技術は、選手の唾液中に含まれる疲労に関連するバイオマーカーを測定するための超小型免疫測定機器を使用します。この技術により、疲労度を可視化することができ、選手たちがトレーニングの負荷や体調をリアルタイムで把握できるようになります。加えて、ユーフォリアが提供するデータマネジメントシステム「ONE TAP SPORTS」との連携により、体重や睡眠、食事、トレーニング負荷といった様々なデータを統合し、選手の日々の健康状態を見える化することが可能です。
コンディショニングの精密化
この取り組みでは、まずはハードなトレーニングを行うアスリートのコンディショニングサポートを実証します。その結果を基に、駅伝選手に限らず、他のあらゆるアスリートのパフォーマンス向上にも寄与を目指しています。適切なトレーニング内容や計画の見直しも進められ、選手たちはより健康的で持続的な競技力の向上を実現できるでしょう。
GLEIA技術の進化
イムノセンスのGLEIA技術は、大阪大学産業科学研究所の特任教授である民谷栄一氏によって開発されました。手のひらサイズの免疫測定機器による高感度な測定を実現し、体内の多様なバイオマーカーを捕らえます。この技術は、従来の免疫測定法に比べて大幅に簡便で高い精度を持っており、スポーツ界に新たな風を吹き込むことでしょう。
両社のビジョン
イムノセンスとユーフォリアは、この取り組みを通じて特定の選手だけでなく、あらゆるアスリートが恩恵を受ける構図を作り上げたいと考えています。選手たちのより良いコンディショニングを支援し、トレーニング効果を最大化させることで、スポーツ界全体の競技力向上に繋げていくのが両社の目標です。また、今後はヘルスケア分野や動物医療にもGLEIA技術を広げていく計画です。
この画期的な取り組みは、多くのスポーツファンや学生アスリートたちに新たな希望を与えるものとなるでしょう。そして、箱根駅伝での成果が、さらに多くのアスリートたちに波及し、スポーツ業界全体の発展に寄与することが期待されています。