TOPPANが推進する地銀向けデジタルマーケティング新サービスの展開

TOPPANが地方銀行向けデジタルマーケティングサービスを開始

TOPPAN株式会社は、地方銀行向けに新たなデジタルマーケティングサービスを提供することを発表しました。このサービスは、地方銀行と地域の個人顧客の関係性を強化し、より顧客中心のマーケティング環境を構築することを目指しています。この取り組みの第一弾として、広島県のひろぎんホールディングスが対象となり、2024年8月下旬から本格的に運用が開始されます。

新サービスの背景と目的

近年、ネット銀行が台頭し、地域を越えた取引が一般化する中で、地方銀行は地域住民の信頼を失いつつあります。それに伴い、銀行には顧客との新たな価値創造や課題解決の役割が期待されています。多くの地銀は地域貢献や地域住民のウェルビーイングを実現するための中期経営計画を掲げており、地域住民との関係を強固にし、エンゲージメントを向上させることが課題となっています。

TOPPANは、2023年8月よりひろぎんホールディングスとの連携を強化し、デジタルマーケティング基盤としてCDP（カスタマーデータプラットフォーム）とMA（マーケティングオートメーション）の活用を進めています。この新サービスは、顧客とのコミュニケーションを更に可視化するためのBIツールの導入も含まれており、顧客に対して最適なサービス提供を実現します。

サービスの主要な特徴

1. 中長期的なエンゲージメントの重視
地銀と地域住民との関係を強化するため、このサービスは、短期的な売上向上だけでなく、中長期的なエンゲージメント向上も視野に入れています。デジタルでのコミュニケーションが増加する中、対面と同レベルのコミュニケーション品質を追求しています。顧客のデータを正確に把握し、個別のニーズに応じた柔軟な提案を行うことで、より深い関係を築くことを目指しています。

2. コミュニケーションの最適化
地域の顧客との関係構築を促進するため、アプリの利用やアンケートへの回答など、金銭的価値だけではない行動も評価の対象とします。それに加えて、顧客のライフステージや属性に応じた対応を行い、デジタルと対面での手厚いサポートを提供します。これにより、顧客の具体的な課題解決に繋げます。

今後の展望とセミナーの開催

TOPPANは、ひろぎんホールディングスとの協力により、今後も営業支援システムの連携やAIを活用したコミュニケーション自動化を進め、ビジネストランスフォーメーション（BX）の推進を支援します。また、地方銀行や地域の金融機関へのサービス展開を進め、2025年までに10件の導入を目指しています。

さらに、2024年9月12日には、ひろぎんホールディングスの事例を交えたウェビナーも開催される予定です。参加者は、デジタルマーケティング基盤の導入におけるリアルな経験や、顧客とのリレーション構築の成功例について学ぶことができます。

この新サービスは、地方銀行が地域との関係を再構築するための重要なツールになることでしょう。今後の展開に期待が寄せられています。