花王が発見した顔と頭皮の皮脂RNAの類似発現
花王株式会社(社長・長谷部佳宏)スキンビューティ第1研究所は、驚くべき研究成果を発表しました。皮脂中に含まれるRNA、いわゆる皮脂RNAを解析したところ、顔と頭皮でのRNA発現パターンの類似性が明らかになりました。この成果は、2025年12月に開催される第48回日本分子生物学会年会で紹介される予定です。
皮脂RNAの発見
花王は2019年に、皮脂中にRNAが存在することを発見しました。この発見をもとに、あぶら取りフィルムで肌を傷めることなく皮脂を収集し、RNAを抽出して解析する「皮脂RNAモニタリング」技術を開発しました。この技術により、顔の皮脂RNAの発現情報から肌タイプを2つに分類することが可能であることが判明しました。ひとつは、皮膚バリア機能を支える「角化」に関連する遺伝子が高く発現するタイプで、もうひとつは皮膚免疫機能を支える「免疫応答」に関わる遺伝子が優位に発現するタイプです。
研究の背景と目的
これまで花王は、主に顔の皮脂RNAについて研究を行ってきました。しかし、頭皮も顔と同様に基本的な構造と機能が似ていることから、頭皮の皮脂RNAについても調査する意義がありました。そこで、同一人物の顔と頭皮から皮脂RNAを採取して、その発現情報を詳細に解析しました。
日本人女性33名を対象に実施されたこの研究では、顔及び頭皮から同時に皮脂RNAを収集し、約2万種類のRNAの発現量を算出しました。結果、顔と頭皮のRNA発現プロファイルは非常に強い相関を示したことが確認されました。このことが、顔と頭皮でのRNA発現パターンの類似性を裏付けています。
結果と今後の展開
今回の研究成果により、顔と頭皮の皮脂RNAの発現パターンが似ていることが示されました。花王は、これまでの皮脂RNAの情報をもとに、顔から肌タイプを推定する「肌遺伝子モード判定」技術を開発してきましたが、今後はこの技術を頭皮にも応用する検討を進めています。これにより、より多くの人々が客観的な肌の指標を手軽に利用できるようになることが期待されています。
まとめ
花王の研究成果は、スキンケアに新たなアプローチを提供する可能性を秘めています。顔と頭皮における皮脂RNAの発現パターンの類似性を明らかにすることで、今後の美容研究や商品開発においてさらなるひらめきをもたらすことでしょう。私たちのスキンケアのあり方に影響を与える重要な成果として、多くの注目を集めるに違いありません。