東京藝術大学が中心となる新たなアート共創拠点の設立について

東京アートコミュニケーション共創拠点の設立

特定非営利活動法人「あなたのいばしょ」が、東京藝術大学を中心とする「共生社会をつくるアートコミュニケーション共創拠点」(以下、ART共創拠点)に参画したことを発表しました。この共創拠点は、2023年に文部科学省の「共創の場形成支援プログラム」事業に採択されたプロジェクトで、43の機関が協力し、アート、福祉、医療、テクノロジーなどの専門知識を結集して社会課題の解決に挑みます。

望まない孤独への挑戦

ART共創拠点では、2030年に国民の3人に1人が65歳以上になることを見越し、超高齢社会における孤独や社会的孤立の解消を目指しています。「文化的処方」という新しいアプローチを通じて、地域社会を支援し、誰もが生涯を通じて幸福で健康的な生活を送れるようにすることが使命です。

あなたのいばしょは、以前から「あなたのいばしょチャット相談」を通じて、孤独や孤立に悩む多くの人々を支援してきました。その中で得られた経験を生かし、ART共創拠点との連携によって、より幅広い視点からの支援を展開することを目指します。

社会的処方と文化的処方

社会的処方とは、孤独に苦しむ人々に自然やアートへ触れる機会を提供し、地域とのつながりを生む取り組みです。特に、イギリスなどでは公的な医療制度に組み込まれるなど、実績があるアプローチです。

一方で、ART共創拠点が提案する文化的処方は、各個人の課題解決に向けた手法です。アート活動、医療、福祉、テクノロジーを結びつけることで、クリエイティブな体験を提供し、その人らしい生活を実現します。楽しさと感動を通じて、人々の心が解放され、新たなつながりを生むことを目指しています。

新たな展開と未来への期待

ART共創拠点のプロジェクトリーダー、伊藤達矢氏は「アートを通じた対話の場を創出することで、孤独や孤立に悩む方々へより多角的な支援が可能になる」と述べています。この新たな取り組みにより、孤独を抱える人々が一歩踏み出せる機会を増やし、ゆるやかなつながりを持てる社会を築いていくことを目指しています。

あなたのいばしょでは、24時間365日、誰でも無料で匿名相談ができる「あなたのいばしょチャット相談」のサービスを提供しています。多様な悩みに応じて、有意義なサポートを受けられるこのサービスは、これからも孤独や不安を抱える人々の支えになるでしょう。