メビウスの名作SFコミック『アンカル』、初の全訳版が刊行
フランスコミック界の巨匠、メビウスによる長編SFコミック『アンカル』が、2010年12月21日に株式会社小学館集英社プロダクションから全訳版として刊行されます。これは、メビウスの代表作にして、世界中で支持されてきた名作の日本初の完全翻訳。日本の漫画界にも多大な影響を与えてきたメビウスの作品に、今一度注目が集まっています。
メビウスが与えた影響
メビウスは、その独自の画風とストーリーテリングで、日本の名だたる漫画家たち、例えば大友克洋や松本大洋に大きな影響を与えてきました。大友克洋は「この作品を読むことで、メビウスのように描くことができるのかと、絶望を感じつつも、その目標に出会えた喜びを感じる」と語り、松本大洋も「メビウスは僕のスーパースター」と称賛しています。
更に、メビウスと宮崎駿も互いに尊敬しあう関係にあることが知られ、昨年のメビウス来日において浦沢直樹が自身のメビウスコレクションを公表したことで、アニメ・漫画ファンの間で話題になりました。映画界でも彼の影響は絶大で、作品『エイリアン』や『フィフス・エレメント』など多くの映画にもデザイナーとして関わっており、メビウスのデザインは世界中で評価されています。
『アンカル』のストーリーと魅力
『アンカル』は、メビウスが手掛けた長編SFコミックの中でも特に注目される作品で、原作は映画監督のアレハンドロ・ホドロフスキーが務めています。カルト的な人気を誇る二人がタッグを組み、宇宙の命運をつかさどる不思議な生物「アンカル」を中心に据えた壮大な叙事詩が展開されます。SFファンや映画ファンだけでなく、漫画を愛するすべての読者に向けた内容となっており、一文一文が読者の心に深く響くことでしょう。
本作は世界中で翻訳されており、版を重ねている名作ながら、日本での完全翻訳は今回が初めてです。そのため、『アンカル』には新しい発見がたくさん詰まっています。
特別対談と関連情報
さらに本書にはメビウスファンとして知られる谷口ジローと藤原カムイの特別対談も収録されています。彼らの視点から見るメビウスの魅力や『アンカル』の掘り下げは、作品をさらに深く理解する手助けとなります。
『アンカル』の魅力を手に取って感じるこの機会に、ぜひお読みいただき、その世界観に浸ってみてはいかがでしょうか。
書籍情報
- - 作: アレハンドロ・ホドロフスキー
- - 画: メビウス
- - 訳: 原正人
- - 定価: 3,990円(税込)
- - 発売日: 2010年12月21日頃
- - 小学館集英社プロダクションの刊行物案内: 公式サイト
メビウスの名作『アンカル』を通じて、彼の不朽の影響とその宇宙の叙事詩に触れてみましょう。