障がいのある学生と企業の架け橋に「ableto」登場
特定非営利活動法人ディーセントワーク・ラボ(東京都大田区)が、2025年6月から新たな対話型トレーニングプログラム「ableto」をスタートさせることを発表しました。このプログラムは、障がいのある学生が自身の特性や強みを理解し、企業との相互理解を深めるためのものです。2024年には障害者雇用促進法に基づく法定雇用率が2.5%に引き上げられることを背景に、企業にとってもますます重要性が高まる取り組みです。
障がい者雇用の現状と課題
近年、障がい者の雇用促進が進められているものの、実際の職場では多くの課題が残されています。民間企業では、障がいのある従業員が直面する困難や課題への対応が後手に回り、現場のマネジメントに負担がかかることもしばしばあります。また、障がいのある学生たちは、就職活動や就労の場面で様々な問題に直面することが多いのも現実です。
そこで「ableto」は、障がいのある学生に特性の理解や自己アピールの機会を提供し、企業には障がい者雇用に関する知識を蓄える場を提供します。これにより、お互いが持つ強みを活かしながら、共に「できる」を創出する環境を整えることを目指しています。
プログラムの内容と特徴
「ableto」では、学生と企業が直接対話できる「対話型サロン」を展開します。これにより、対話を通じた理解が生まれ、参加者同士が持つ思いや価値観のすり合わせが行われます。
特に、「対話型サロン」は学生にとって、社会に出る前の不安を解消し、自信を持って第一歩を踏み出すためのサポートを行います。また、企業担当者向けには、障がい者雇用制度の構築に向けたセミナーも予定されています。
さらに、プログラムでは対話を通じて学生と企業の間での認識のズレを解消し、職場環境の整備につながるよう、双方向での支援が行われます。
参加資格と申し込み方法
「ableto」に参加を希望する学生は、障がいをお持ちの方または社会生活において困難を感じている大学生や大学院生、高等専門学校生を対象とします。
企業側では、積極的に障がい者雇用に取り組む姿勢を持つ担当者が参加可能です。このような取り組みを通じて、双方の理解が進み、より良い雇用環境の確立が期待されます。
まとめ
「ableto」は、障がいのある学生と企業が共に成長し理解を深めるための有意義なプログラムです。企業は障がいや性別、年齢にかかわらずダイバーシティを尊重し、包括的な雇用慣行を進めることで、社会全体の生産性向上にも貢献することでしょう。新しい働き方の形を模索する中で、「ableto」がどのような成果をもたらすのか、今後の展開に注目が集まります。