AIで無呼吸症候群を予測
2026-06-24 14:09:58

睡眠時無呼吸症候群のリスクをAIで高精度に予測する新モデルの開発

睡眠時無呼吸症候群のリスクをAIで高精度に予測する新モデルの開発



株式会社JMDC、オムロン株式会社、国立大学法人筑波大学の共同研究グループは、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の高精度予測モデルを開発した。このモデルは、JMDCが保有する国内最大規模の医療データと、オムロンのPHRサービス「Pep Up」を活用することで、治療が必要なレベルのSASリスクを正確に予測できるという。今回の研究成果は国際学術誌「Sleep and Breathing」に発表された。

背景



SASは睡眠中に呼吸が止まったり浅くなったりする疾患で、高血圧、脳卒中、心疾患などのリスク因子として知られているものの、多くの患者が自覚症状を持たない。また、診断には専門施設での精密検査が必要とされ、未診断の患者が多く存在するとされる。日本国内での潜在的な患者数は940万人に達する一方で、治療を受けている患者はわずか64万人程度である。このため、SASの早期発見と治療が急務である。

研究内容



本研究では、約186万人の健康診断データやライフログデータを使用し、機械学習を通じてSASのリスクを分析した。具体的には、血圧、体重、睡眠時間、歩数といった日々の健康データを用い、278のデータ項目を基にSASが必要な患者を特定する。

開発されたAIモデルは、予測精度を示す指標であるAUROCが0.898という非常に高い数値を記録し、高リスク群を効果的に抽出することができた。これは、無作為に検査する場合と比較しても大幅に効率的である。

予測因子



重要な予測因子としては、性別、年齢、BMI、腹囲などが挙げられ、健康診断の採血結果や日々のライフログもモデルに寄与した。特に「Pep Up」を通じて日常的に健康データを記録しているユーザーほど、より高い予測精度が得られることが明らかになった。

今後の展望



このAIモデルを活用することで、隠れSAS患者の早期発見が期待されており、特別な検査機器を使用せずとも、既存の健康診断データやライフログを基に「SASリスクが高いため、精密検査をお勧めします」といったアラートを発信できるようになる。また、医療への効果的な誘導も可能で、リスクが高い患者への精密検査推奨や早期治療を通じて健康寿命の延伸に寄与する。

研究者の視点



筑波大学の岩上教授は、SASは見逃されやすい疾患であるため、早期発見と治療の重要性を強調した。また、国際統合睡眠医科学研究機構の柳沢教授は、客観的なデータがSAS患者の発見に不可欠であることを述べ、今後はこの研究成果を活用し、より多くの人々が自分の睡眠状態を振り返るきっかけとなることを期待している。

本モデルの実用化が進むことにより、企業の生産性向上や未病の予防にも寄与することが見込まれており、ヘルスケアの新たな時代を切り拓く可能性を秘めた研究である。

会社情報

会社名
株式会社JMDC、オムロン株式会社、国立大学法人筑波大学
住所
電話番号

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