サーキュラーエコノミー推進への道筋
三井住友銀行、三井住友ファイナンス&リース、そして日本総合研究所の3社は初の共同調査を行い、企業のサーキュラーエコノミー(CE)に対する意識を探りました。この調査結果は、企業が環境問題にどう向き合っているのか、またCE推進に向けた具体的な一歩についての貴重な視点を提供します。
1. 調査の背景と意義
近年、従来の大量生産・消費・廃棄の経済システムが環境問題を引き起こしており、企業にはその見直しが求められています。特に、欧州ではCEが重要な政策として位置付けられ、日本においても循環型社会の実現に向けた法整備が進んでいます。2024年5月には「資源循環高度化法」が公布され、CE市場が2030年までに80兆円規模に達すると見込まれています。このような背景から、企業はCEの実現に向けた第一歩を踏み出す必要があります。
2. 調査結果の概要
調査によると、CE推進に対する企業の意識は二極化しています。42%の企業が「直ちに対応する必要がある」と感じている一方で、55%は「状況に応じて対応したいが、危機感は薄い」と回答しています。また、47%が初期の対応策を計画しているとし、今後の具体的な取り組みに期待が寄せられます。
具体的な取り組みについて
- - 初期対応の広がり:アンケートに答えた企業の中には、すでに25%が継続的な具体的取組を実施していると述べており、このことから、CE推進の動きは確実に広がっていることがわかります。
- - 情報共有の重要性:調査結果において、約30%の企業が情報収集が進まないとの認識を示しました。CEを進める上で、業界間や社内ビジョンの共有が不可欠であるとされています。
3. CE推進に向けた具体策
企業のCE推進に向けて3社は、以下の施策を進める計画です。
- - ソリューションの提案:PaaS(サービスとしての製品)を通じて、リサイクルを含む全体のCE構想を顧客と共に考えます。
- - 産業間マッチング支援:CEに関連する企業同士のマッチングを進めることで、新たなビジネス機会を創出します。
- - 継続的な情報発信:調査データや市場の動向を共有し、戦略策定を助けるためのイベントを開催します。
4. 今後の展望
調査を通じて、製造業界ではCEに向けた意識の高まりが見られ、今後この動向がより一層強化されることが期待されます。また、カーボンニュートラルとの連携が鍵となるとの意見も多く寄せられました。特に、自動車業界では規制に対応しながら、CEを進める必要性が高まっています。これにより業界間の協力が促進され、より持続可能な社会の実現が見込まれるでしょう。
企業がCE推進を通じて新たな事業機会を創出し競争力を強化することが、持続可能な社会の実現に繋がると考えられます。