新たなCO₂鉱物化プラント研究がNEDO助成で始動
エア・ウォーターグループに属する株式会社日本海水が、海水中のカルシウムを利用し、CO₂を固定化する新たな技術の実証化研究を推進しています。この研究プロジェクトは、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成事業として採択され、「海水中のカルシウムとアルカリを使用するCO₂鉱物化プラントの実証化研究」が始まります。
プロジェクトの概要
本プロジェクトでは、学校法人北里研究所や東京大学、産業技術総合研究所、琉球大学などの研究機関が参加し、共同で研究を進めます。助成期間は2025年度から2027年度までの予定です。日本海水は、天然の海水や同社の水酸化マグネシウム製造過程から生じる廃海水に含まれるカルシウムを原料として使用します。
CO₂電力削減への寄与
プロジェクトは、アルカリと排ガス中のCO₂を反応させ、炭酸カルシウムとして固定化するプロセスの実用化を目指しています。具体的には、現在数キログラムの炭酸塩を製造する設備を、年間1000トンの製造能力を持つ規模に拡大することを計画しています。これにより、CO₂削減効果とコスト評価が実施されます。
産業界への影響
製造した炭酸カルシウムの用途開発も進められており、様々な製品のニーズに応じた提供が始まります。今回の研究採択を契機に、火力発電施設から排出されるCO₂の固定化技術が進展することが期待されています。また、産学官の連携により、有価な炭酸カルシウムの製造方法やその結晶制御による高付加価値化が進むことで、環境問題への貢献が期待されています。
代表機関と共同研究機関
このプロジェクトは日本海水が代表機関としてリードし、以下の機関が共同研究機関として名を連ねています:
- - 学校法人北里研究所 北里大学
- - 国立大学法人東京大学
- - 国立研究開発法人産業技術総合研究所
- - 大学共同利用機関法人人間文化研究機構総合地球環境学研究所
- - 国立大学法人琉球大学
まとめ
この研究によって、CO₂の鉱物化という新たな技術が実用化されることで、持続可能なエネルギーの在り方が見直されることになりそうです。エア・ウォーターグループは、環境に優しい技術の開発を通じて、社会に貢献する姿勢を貫いていくことでしょう。今後の進展が非常に楽しみです。