ABALと電通による次世代バーチャル体験の展開
株式会社ABAL(東京都目黒区、CEO:尾小山 良哉)は、その特許技術「Scape®」を用いて独自の空間拡張を実現し、株式会社電通(東京都港区、社長執行役員:佐野 傑)と戦略的提携を締結した。この提携により、現実の店舗や施設にバーチャル空間を融合させた、革新的なエンターテインメントプラットフォームを共に開発し、ロケーションベースエンターテインメント市場を開拓することが目指されている。
Scape®とは何か?
「Scape®」は、リアル空間の上にバーチャル要素を重層させ、高度な没入体験を提供するプラットフォームだ。コロナ禍を経て、リアル空間での体験価値の再評価が進む中、このバーチャル体験は新たな価値をもたらすと期待されている。
具体的には、ABALが持つ18件の関連特許を基に、例えばリアル空間にいながら移動していないにもかかわらず、仮想空間内でエレベーターや移動パネルを介して広大な空間を自由に移動できる感覚を提供する技術がある。また、来場者同士の衝突を防ぐために、バーチャル空間内で異なる位置にいることを示すアバター表現の変化など、細かな工夫がなされている。
企業にとっての利点
新型コロナウイルス感染症の影響で、バーチャル空間の需要が高まる中、ABALと電通はこのニーズを捉え、企業が保有する知的財産やコンテンツを活用して事業開発を支援することを目指している。既存の施設をテーマパーク化し、低コストで新たな次世代エンタメを導入することで、収益の向上が期待できるのだ。
商業施設や観光地、さらには様々なIPホルダー向けにエンターテインメントの提供を広げていくABALの動きは、実に示唆に富んでいる。彼らの技術を用いれば、限られたリアルスペースの中でも、まるで無限の空間にいるかのような体験が可能になるのだ。さらに、「Scape®」の機能には、リアル空間での行動がバーチャル空間に反映される仕組みや、SNSへのシェア機能も搭載されている。
電通の役割
株式会社電通は、マーケティングにおける多様なソリューションを提供し、デジタル時代に対応した広告開発を手掛けている。ABALとの提携においても、これまでの蓄積を生かし、ABALの技術とマーケティングノウハウを掛け合わせることで、より強力なエンターテインメント体験を創造することを目指す。このコラボレーションは、企業の新たな収益機会を生むだけでなく、消費者にとっても興味深い体験を提供するであろう。
結論
ABALと電通の提携によって、バーチャルとリアルが高度に融合した未来のエンターテインメントが現実のものとなる。マルチな視点からのアプローチによって、これまでにない体験が可能になるこの試みは、今後の小売業界やエンタメ業界に多大な影響を与えることが予測されている。新しい技術とマーケティング戦略が、次世代の体験価値をどのように形成していくのか、その行方が楽しみだ。