経口栄養補助剤の効果
2025-03-25 14:28:13

胃癌術後患者の回復を支える経口栄養補助剤が注目に!

胃癌術後の栄養補助がもたらす影響



2025年2月14日から15日に横浜市で開催された『第40回日本栄養治療学会学術集会(JSPEN2025)』では、京都大学大学院消化管外科の上野剛平教授が発表した研究に対して、2025年度フェローシップ賞が授与されました。この研究は、胃癌術後患者に対する経口栄養補助剤(ONS)の効果を伝えるもので、医療界に新たな知見を提供しています。

研究の概要



研究の目的は、胃癌術後における経口栄養補助剤の有効性を検証することでした。術後の患者は体重減少を経験し、その影響は回復に重大な役割を果たします。上野教授らは、全国19の医療機関と連携し、ランダム化比較試験を行いました。対象者は根治的手術を受けた胃癌患者で、ONSの効果を科学的に評価しました。

結果のハイライト



研究の結果、経口栄養補助剤を摂取した患者(ONS群)は、通常管理群に比べて術後8週目の体重減少率が有意に低く、ONSの摂取量は平均309ml(kcal)/日で、85%の患者が1日200kcal以上取り入れていたことが確認されました。具体的には、ONS群の体重減少率は-4.8%であり、対照的に通常管理群は-6.4%でした(P=0.039)。ただし、握力や血液検査の結果に大きな差異は見られなかったものの、ONS群は総摂取エネルギーとタンパク質の摂取量が高い傾向を示しました。

ONSのアドヒアランス



興味深いことに、ONS群のアドヒアランス(遵守率)は比較的良好であったものの、QOL(生活の質)の評価においては、不眠や食欲低下、下痢といった症状が見られました。これは、経口栄養補助剤が患者の食事の質に与える影響を考慮する必要があることを示唆しています。

今後の展望



本研究は、ネスレ日本株式会社の支援を受けて実施されました。ネスレヘルスサイエンスは、将来的にも学術研究を通じて栄養療法の進展に貢献する意向を示しています。科学的根拠に基づいた情報提供や製品開発が、地域医療の向上にも寄与するでしょう。

上野剛平教授のコメント



上野教授は受賞に対し、「本研究が多くの胃癌術後患者の治療に役立てられることを願っています」と語り、今後も研究活動を続けていく決意を述べました。

このように、経口栄養補助剤がもたらす効果は、胃癌術後患者の健康回復に向けた新たな希望をもたらしています。今後もこの分野の研究が進むことが期待されます。


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会社情報

会社名
ネスレ日本株式会社
住所
兵庫県神戸市中央区御幸通7丁目1番15号 ネスレハウス
電話番号
0120-130-650

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