ゼライス社が開発した新成分
ゼライス社が独自に研究開発した「コラーゲン・トリペプチド」は、コラーゲンの最小ユニットであり、この成分は主に血管を改善する可能性があるとされています。このトリペプチドは、速やかに体内に吸収され、皮膚、骨、関節軟骨、血管壁といった結合組織に取り込まれていきます。
ヒト臨床試験の実施
ゼライス社は、金沢医科大学と共同で健常者を対象にしたヒト臨床試験を実施しました。この試験では、コラーゲン・トリペプチドの動脈硬化への影響について、長期的に観察されました。実験対象者には、6か月間にわたりコラーゲン・トリペプチドを摂取してもらい、その結果をさまざまな指標で評価しました。
試験の結果、コラーゲン・トリペプチドを摂取したことで、血中脂質のバランスが改善され、また血管の弾力性が回復する兆しが見られました。これにより、この成分が動脈硬化に対する予防や改善に効果的であることが裏付けられました。
研究結果の概要
研究に参加した30名のボランティアを対象に評価したところ、LDL-C(悪玉コレステロール)とHDL-C(善玉コレステロール)の比率の改善が見られ、具体的にはLDL-C/HDL-C比が有意に低下しました。この結果は、コラーゲン・トリペプチドの摂取が血中脂質のバランスを整える助けになることを示しています。
さらに、TAGE(毒性のある終末糖化産物)値が全体で有意に改善され、特に高リスク群において顕著な効果が見られたことも重要です。また、CAVI(心臓から足首までの動脈の硬さを反映する指標)値も有意に低下し、血管の柔軟性が向上したことが示されました。これは、コラーゲン・トリペプチドの摂取が動脈硬化改善に寄与している可能性を示唆するものです。
今後の展望
ゼライス社の中央研究所所長である酒井康夫氏は、研究を進める中でコラーゲン・トリペプチドの効果をさらに解明し、将来的には商品化も見越していると述べています。「今回の研究をもとに、更なる研究を進め、確かな効果を追求していく」との意気込みを示しました。
このように、ゼライス社が開発したコラーゲン・トリペプチドは動脈硬化の予防・改善に期待されており、実施された研究の成果は今後の研究開発に大きな影響を与えることでしょう。公式発表にも注目が集まります。
参考文献
- 研究論文:Effect of Collagen Tripeptide on Atherosclerosis in Healthy Humans
- 掲載誌:Journal of Atherosclerosis and Thrombosis
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