工務店二代目経営者塾で学ぶ後継者の成功への道

2021年の設立以降、一般社団法人日本優良ビルダー普及協会（JGBA）は、会員企業向けにリアルやオンラインでの各種セミナーや視察会を実施し、業界の知見やノウハウを広めています。今回は、2023年6月24日に特別なセミナー「工務店二代目経営者塾」を開催し、後継者が抱える課題について掘り下げました。このイベントは、「会社を大きくするも倒産させるも承継者次第」というテーマのもと、中小企業の後継者不足問題を背景にしています。

なぜ工務店二代目経営者塾が必要なのか

日本の中小企業の約3分の1が後継者不足による廃業リスクを抱えており、年間で4万から6万件もがその理由で廃業しています。一代目から二代目への事業承継が成功する確率は約30%に留まるという厳しい現実もあります。それゆえ、このような経営者塾は多くの後継者にとって重要なスキル・知識を提供する場となります。

今回のセミナーは小規模な会員限定で行われ、参加者はお互いの課題をシェアしながら、株式会社丸尾建築の丸尾幸司代表が講師として自身の経験を語りました。丸尾社長は2014年に事業承継を経て社長に就任し、自社の経営において実践したさまざまな取り組みを紹介しました。特に、経営理念を具体化するためのクレドの作成や、初回接客の手順書の詳細な設計についてが印象的でした。

丸尾社長の経営哲学

丸尾社長は、「攻撃力100の武器を一挙に作ることは難しいから、攻撃力10の武器を10個作る」といった考え方で、自社の成長を目指しています。これは小さな成功を積み重ねていくことで大きな結果に繋がるという、実践的な哲学です。また、セミナー中には参加者からの質問も多く寄せられ、皆が丸尾社長の実績や考え方に感銘を受けている様子が伺えました。

参加者からは「家づくりの大切さを再認識した」や「丸尾社長の総合力に感動した」という感想がありました。これらの声からも、セミナーが参加者にとって実のある学びの場であったことがわかります。

株式会社丸尾建築の経営概要

丸尾建築は1982年に設立され、兵庫県内で新築の注文住宅やリフォーム、不動産事業を展開しています。年間65棟の供給を誇る同社は、顧客・スタッフ・取引事業者・地域住民に対し「４方良し」の理念を掲げ、顧客満足度98%を達成するなど高い評価を受けています。また、魅せる現場コンテストでは5年連続で受賞し、2024年度からは更なる成長が期待されています。

未来の展望

JGBAは今後も様々なテーマのセミナーを開催していく予定であり、9月11日には「工務店人材採用課題解決セミナー」の開催も控えています。このような活動を通して、住宅業界全体の発展を目指すJGBAの取り組みは、多くの後継者にとって価値ある学びの場となることでしょう。これからも、多様な企業が集うこの協会から目が離せません。