ハン・ガン、待望の新作『光と糸』を発表
韓国のノーベル文学賞受賞作家ハン・ガンさんの新作『光と糸』が、2025年12月19日に株式会社河出書房新社から刊行されます。本書は、受賞後初の作品として、多くの読者から期待されています。ハン・ガンさん自身が編集に携わり、「最初から最後まで光のある本にしたかった」と語るこの作品には、愛の深さや美しさが詰め込まれています。
『光と糸』の内容とは
本書は、最終ページにハン・ガンさんが8歳の時に書いた詩が収められており、それを起点に光と愛をテーマにした独自の「作品」として作り上げられています。さらに、ノーベル文学賞受賞記念講演「光と糸」の全文、創作に関するエッセイ、5編の詩、光を求める植物についての庭の日記、そして自身が撮影した写真が収められているのが特徴です。
発売初日には、韓国で10,000部を売り上げ、多くの書店で総合ランキングの1位を獲得するなど、話題になりました。ハン・ガンさんは、自身の作品を通じて、「世界はなぜこれほど暴力的で、同時に美しいのか」という問いを読者に投げかけてきました。
ハン・ガンの受賞後のメッセージ
ハン・ガンさんは、2024年10月にノーベル文学賞を受賞した際、感謝の意を示しましたが、記者会見は行わず、スウェーデン公共放送のインタビューで「世界には多くの苦痛があり、私たちはもう少し静かにしていなくてはならない」と発言しました。この言葉は、彼の作品や創作への思いを深く反映しています。
フェアや特集も要注目
『光と糸』の発売に合わせて、2025年12月下旬から「日本語で読めるすべてのハン・ガンフェア」が全国の200軒以上の書店で開催されることが決定しています。フェアでは、ハン・ガンさんの邦訳作品全リストが掲載された特製リーフレットが配布され、ファンは彼の多様な作品を楽しむことができる絶好の機会です。
さらに、2026年1月7日に発売される「文藝 2026年春季号」では、特集「ハン・ガンを読む――傷と庭を抱いて」を掲載予定で、読書会や翻訳者座談会なども行われ、作品に対する深い理解が得られるでしょう。
まとめ
ハン・ガンさんの新作『光と糸』は、彼自身の執筆人生が凝縮された特別な一冊となっています。日本語版の発売はもちろん、彼の作品を通じて広がる多様なテーマやメッセージに注目してみてはいかがでしょうか。多くの読者にとって、心を打つ一冊になることは間違いありません。