ナフサ不足で製造業が危機
2026-04-17 16:20:45

ナフサ不足が引き起こす国内製造業の危機と影響分析

ナフサ不足が引き起こす国内製造業の危機と影響分析



中東地域の情勢が不安定化する中、原油から精製されるナフサの供給に対する懸念が高まり、これが国内製造業に多大な影響を与えている。ナフサは、基礎化学品はもちろん、各種産業の製品にも広く使用される重要な原材料であり、その供給が制限されることは多岐にわたる業界に危機をもたらす可能性がある。

ナフサの重要性と産業への影響



ナフサは、エチレンやプロピレンといった基礎化学品の製造に使用され、最終的には電気製品や自動車部品、衣料品、医薬品など様々な商品に変わる。このサプライチェーンは非常に広範であり、ナフサの供給不安はその下流に位置する多くの製造業に直結する。特に、調達コストの上昇は中小企業にとって致命的であり、価格転嫁が難しいため、経営の圧迫につながる。

帝国データバンクの調査によると、ナフサを原材料とする企業は約4万7000社に及び、集計可能な製造業全体の約30%に達している。この中には、自動車部品からハンバーガーの包装紙まで多様な製品が含まれており、その結果、日常生活にも影響が及ぶ恐れがある。

ナフサの調達リスクが高まる背景



中東情勢の変化により、ナフサの価格が高騰し、供給制限が続いている。この状況では多くの製造業がナフサ関連製品の調達リスクにさらされることとなる。中でも、化学工業や石油・石炭製品製造業が最も影響を受けやすく、関連企業は67.2%がサプライチェーンに関連するリスクを抱えている。

また、製造業の規模別に見ると、売上高1億円未満の中小企業が全体の約9割を占めており、こうした企業の多くがナフサ不足による影響を受けていることがわかる。特に、化学製品の原料となるプラスチックや合成樹脂を扱う業界では87.3%がナフサに依存しており、経営への影響は深刻だ。

痛手を負う業界と今後の見通し



ナフサ不足の影響は製造業全体に広がっていることから、複数の業種が困難な状況に直面している。具体的には、ハンバーガー包装紙やセメント袋などの製造業も調達リスクを抱え、消費者にとって身近な商品の価格が上昇する恐れがある。また、製造業の多くがナフサから製造される化学製品に依存しているため、このままナフサの供給が続かない場合、さらなる価格上昇や製品供給の制限が不可避だ。

政府は「必要な量を確保できている」との見解を示しているが、短期的な解決策が見当たらないのが現状である。多くの製造業は、今後しばらくの間「事業縮小リスク」に直面することが予想され、特に小規模な事業者にとってはさらに厳しい時代が待ち受けていると言える。今後のナフサの供給状況と価格動向に注目が集まる。

  • ---

この厳しい状況を乗り越えるためには、企業間の連携や既存のサプライチェーンの見直しが求められる。また、代替的な原材料の開発や投資も重要となる。危機感を持ちつつ、持続可能な経営を目指していく必要があるだろう。


画像1

画像2

会社情報

会社名
株式会社帝国データバンク
住所
東京都港区南青山2-5-20
電話番号
03-5775-3000

トピックス(経済)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。