木野寿彦のデビュー作『降りる人』に注目
2025年9月26日、株式会社KADOKAWAが新しい才能を世に送り出しました。第16回〈小説 野性時代 新人賞〉を受賞した木野寿彦氏のデビュー作品『降りる人』です。この作品は、一人の青年が抱える悲しみや秘密、そして彼の日常を描いた物語で、選考委員たちから高い評価を得ています。
著者の木野氏と選考委員の森見登美彦氏との特別対談も実現し、作品の深層に迫る機会を提供しました。また、第1章の全文試し読みも公開されており、読者は作品の魅力をいち早く体験できます。
作品の概要と評価
本作『降りる人』は、30歳の宮田が期間工として働く中での心の葛藤を描いています。彼は、友人の浜野に「人と接することの少ない、ほとんど透明な仕事」として工場の仕事を選びます。その中で宮田は、人間性を削られながらも人間らしさを求め続けるという、緊迫した物語が展開されます。
この作品に寄せられた選考委員たちの評価は非常に高く、「滑稽でもあり哀れでもある主人公が、実在の人物に思えるほど描写が自然で的確」と冲方丁氏が絶賛するなど、各委員がその秀逸な描写力に感銘を受けています。また、音楽家の尾崎世界観氏からも「こういう人の、こういう日々こそを、青春と呼びたい」との推薦コメントが寄せられています。
特別対談と試し読み
特別対談では、木野氏と森見氏が作品にまつわるエピソードや宮田のキャラクターについて語り合っています。対談記事は
こちらからで読むことができ、読者は作品の背景にある思いや制作の過程を知ることができます。
さらに、読者は第1章を試し読みすることも可能です。試し読みは
こちらからご覧いただけます。
書誌情報と今後の展望
『降りる人』は240ページのボリュームを誇り、定価は2,090円(税込)。出版社はKADOKAWAで、公式サイトなどで確認できる詳細な作品情報も提供されています。木野寿彦氏は1983年に福岡県で生まれ、九州大学卒業後に工場勤務をしながら執筆活動を続けてきました。今回の受賞をきっかけに、さらなる活躍が期待される作家です。
今後も若手作家たちが挑む新しい物語に目が離せません。文学の新しい風を感じるために、ぜひこの作品を手にとってみてください。心に響く物語が待っています。