未来型手指消毒ディスペンサー「PROTEGATE EXPO2025」
2025年4月13日から開催される「2025年日本国際博覧会」、通称大阪・関西万博。この万博では、訪れる人々に最先端の衛生管理を提供する自動手指消毒ディスペンサー「PROTEGATE EXPO2025(プロテゲート エキスポ2025)」が設置されます。このディスペンサーは、株式会社3D Printing Corporation(3DPC)、サラヤ株式会社、テラサイクルジャパン合同会社の共同開発によって実現しました。
「TEAM EXPO 2025」の一環として導入されるこのディスペンサーは、感染症対策と持続可能な社会の実現を目指しています。特に、本装置では海洋プラスチックを再利用した資材を用い、その活動を通じて海洋環境への意識を高めることを目的としています。
PROTEGATEの意義とは?
「PROTEGATE」という名称は、英語の「protect(守る)」と「gate(入り口)」を組み合わせた造語です。この装置は、入口で手指の消毒を行うことで、感染症の拡大を防ぐ手助けをする役割を担っています。また、この取り組みを通じて、万博を訪れる人々が海洋問題に関心を持つきっかけとなることを期待しています。
環境への配慮
ここ数年、海洋環境問題は多くのメディアで取り上げられています。現在、海洋プラスチックごみは1億5,000万トンに達し、毎年1,200万トンが新たに海へ流出しています。今回のディスペンサー製作にあたっては、リサイクル素材を用いることを重視し、特に青いノズル部分には、再生PPと海洋プラスチックを使用しています。
本体のグレー部分にも、再生プラスチックと共にテラサイクルから提供された海洋プラスチックが配合されています。これにより、製品が持つ環境保護への配慮が具現化しています。ただし、海洋プラスチックの再利用には多くの課題が伴います。不純物が含まれている場合や劣化のリスクがあり、その状況を乗り越える必要があります。
IoT技術を活用した利便性
「PROTEGATE EXPO2025」にはIoT技術が組み込まれており、通信機器や重量計を搭載しているため、薬剤やバッテリーの残量を容易にWEB画面で確認することができます。これにより、メンテナンス作業が効率化され、使用する人々にとってもストレスフリーな体験を提供します。
誰でも使いやすいデザイン
プロジェクトの設計段階では、ユニバーサルデザインが重視されました。ディスペンサー本体には日本語と英語の表示が行われており、さらにピクトグラムも採用されています。また、身長の低い子どもや車いす利用者が使いやすいよう、2種類の高さの手消毒スペースを設けています。この工夫によって、利用者全員が快適に使用できるような配慮がなされています。
まとめ
「PROTEGATE EXPO2025」は、単なる手指の消毒を超え、人々にとっての「守る場所」となります。大阪・関西万博を通じて、参加者たちが海洋問題への理解を深め、持続可能な未来を共に考えるきっかけとなることを期待しています。サラヤ、テラサイクル、3DPCによるこの革新的な取り組みに今後も注目していきたいと思います。