「マンホールWEEK」で親子の新しい挑戦を
2025年6月、東京・江東区にあるオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」で、特別なイベント「マンホールWEEK」が開催される。この試みは、登校が難しい子どもたちを抱える親たちによって発案され、全国各地のマンホールをテーマにした写真撮影と、自分で選んだ場所を訪れる活動を通じて、子どもたちの外に出るきっかけを提供するものである。
きっかけの背景
「NIJINアカデミー」には、不登校などの理由から学校に行けない子どもたちが多数在籍している。「イベントに参加したいが、不安がある」という声に応え、この「マンホールWEEK」が企画された。主催は、保護者たちからなるグループ「NOS(NIJIN親サイコー)」。彼らは、子どもたちが少しでも外に出る勇気を持てるよう、サポートする仕組みとしてこのイベントを設立した。
事前準備と授業内容
イベントに先駆けて、子どもたちの興味を引くための授業が行われた。各種マニュアルを用い、子どもたちに調べる力や表現力を育む時間を設けた。特に、
6月5日は「特別授業」として、全国各地のデザインマンホールを調査し、その結果をPadletに投稿する活動が行われた。
子どもたちが地域のマンホールのデザインに興味を持ち始め、「行ってみたい場所ができた」という気づきが何度も生まれた。
そして、6月19日には「マンホールデザイン授業」が行われ、Canvaを使用して、それぞれ自分だけのマンホールをデザインするというユニークな体験がなされた。これにより、地域や自分の興味を活かしたマンホールを創作させ、表現力を高める機会を提供している。
イベントの概要
マンホールWEEKは、2025年の6月25日から7月2日までの間、NIJINアカデミーの在籍者とその保護者を対象に開催される。参加者は、自分の好きな時間と場所でマンホールの写真を撮影し、その成果をコミュニティ内で共有する。最終的には、「全国マンホールマップ」としてまとめられる予定である。この活動は、外に出るきっかけを作り、親子の会話を促進し、他者とのつながりを体感することを目的としている。
小さな挑戦が大きな変化を
「外に出てみたいけれど、初めの一歩が踏み出せない」。そんな子どもたちに向けたこのイベントは、小さくても重要な挑戦となっている。たとえば、参加者同士がLINEオープンチャットで「今日どこに行くよ」とコミュニケーションをとることで、自然なつながりが生まれる仕組みが整っている。
イベントは、集団行動が苦手な子どもたちにも配慮し、各自のペースで参加できることを重視している。
NOS(NIJIN親サイコー)とは
この活動を支える「NOS」は、NIJINアカデミーの保護者たちによって自主的に形成されたグループである。日常の育児の中に見出したニーズを元に、子どもとともに新たな挑戦を生み出すことを目指している。
最後に
「マンホールWEEK」は、単なる写真撮影イベントではなく、子どもたちに自己決定の機会を与え、外に出ることへの不安を和らげるための草の根的な活動である。参加者の誰もが自分の興味を持ち寄り、新たな世界を広げる社会づくりに貢献することが期待されている。参加希望者は、NIJINアカデミーに問い合わせることで、この取り組みに関する詳細を知ることができる。子どもたちの「やってみたい」を大切にする社会が、ここから始まるかもしれない。