井村屋のあずき混抄紙が受賞
井村屋株式会社が開発した『あずき混抄紙 紅金剛』が、2025年度グッドデザイン賞を受賞しました。この製品は、工場から出るあずきの皮をアップサイクルし、環境に優しい素材として多様な用途に対応できることが特徴です。井村屋グループは、年間で約150トンのあずきの皮が生産副産物として発生していることを背景に、この新しい混抄紙の開発を進めました。
この混抄紙は、あずきの皮と紙パルプを混ぜ合わせて作られており、和紙に似た柔らかな触感と美しいデザイン性を持っています。そのため、名刺や封筒、紙袋、化粧箱など、さまざまな制作物に使用されています。あずきの皮は、一見すると無駄に思える副産物ですが、それを素材として活用することで、企業の持続可能性に寄与しています。
あずき混抄紙の開発は、井村屋グループの志向を表す重要な一歩です。この取り組みを通じて、食品ロスの削減や環境問題の解決に向けた社会貢献への強い意欲が示されています。企業としての慎重な成長を目指し、デザインを活用することで製品の付加価値を高め、さらなる成長を見据えています。
グッドデザイン賞は、主催者である公益財団法人日本デザイン振興会によって、デザインの優れた製品に対して与えられる権威ある賞です。この受賞は、井村屋の取り組みが認められたことを意味しており、その影響は広く波及することが期待されます。
井村屋株式会社は、創業から100年以上の歴史を持つ日本の老舗食品メーカーであり、あずきを核心原料とした製品作りを行っています。『あずき混抄紙』の開発は、企業としての社会的責任を果たす大切なステップであります。今後もこの取り組みを通じて、環境に優しい素材の利用とデザインの融合を進め、サステナブルな社会づくりに貢献していくことでしょう。
この新たな事業は、単なる製品開発にとどまらず、企業全体のビジョンや理念とも結びついています。井村屋は、環境負荷を低減し、持続可能な未来を見据えた製品作りを続けることで、業界全体に良い影響を与える存在となることを目指しています。今回の受賞を契機に、あずき混抄紙が多くの人々に支持されることを期待しています。