水辺の事故防止に向けた新たな取り組み
2024年度から本格的に展開される「海のそなえプロジェクト」は、一般財団法人うみらい環境財団、日本水難救済会、日本ライフセービング協会が共同で取り組んでいる。日本財団が企画・統括するこのプロジェクトは、毎年発生する水難事故の減少を目指し、科学的データに基づいた新しい情報発信や教育プログラムの開発を通じて、国民へ水難予防の意識を根付かせることを目的としている。
最新調査結果について
本プロジェクトの一環として実施された2024年夏季の溺れ事故に関する報道実態調査の結果、海水浴客が80万人減少している一方で、今年のレスキュー割合は前年の1.3倍に達することが判明した。コロナ禍以降、海に慣れていない人々が増加し、救助が必要な状況が生じていることが示唆されている。調査では、海岸や河川での事故が多く、特に午後に多く発生することがわかった。
事故の特徴
調査によれば、溺れ事故が発生する場所の約43%が海岸、33%が河川である。発生時間に関しては、午後の16時台が最も多く、死に至る事故は10時から16時に分散していることがわかった。また、10歳未満や10代、20代の若年層、70代以上の高齢者が特に多く、行為としては若年層が遊泳・川遊び、高齢者が釣りを行っていることが確認された。
サバイバルの課題
調査の結果、特に注目すべきは、釣りや他のアクティビティ時のライフジャケット着用に関する意識が低いことだ。ライフジャケットの着用が生存率を大幅に上げるにもかかわらず、遊泳時に着用する意識が薄いことが指摘された。さらに、若年層が使用する浮き輪も流されることがあるため、安全対策が必要である。
事故を防ぐための注意事項
本プロジェクトが提示する注意ポイントは以下の通りである。
1. 水辺に行く際は必ずライフジャケットを準備し、着用すること。
2. 水分補給を十分に行う。
3. 水に入る前に危険な場所を確認する。
4. 陸上の目印を決めて流されていないか確認する。
5. 自分の体力の限界を知っておく。
6. 子どもがいる場合は注意を怠らない。
7. 酔った後の水辺の行動は厳禁である。
8. 溺れている人を見つけた場合は自己判断で飛び込まず、浮力のあるものを投げて救助を呼びかける。
まとめ
「海のそなえプロジェクト」は、日本の海を美しく保つために、次世代へつながるアクションの輪を広げる一助とし、国民が主体的に水難予防に取り組める環境を作り出すことを目指している。2024年度の活動についてぜひとも関心を持ち、参加してほしい。
詳しい報告は
こちらのリンクから確認できる。